イラストSS

　――諸君は小さなお胸同盟を知っているだろうか。
　焔、ルアナ、フラン、リリファによる秘密結社である！　それぞれは、ええ。うん。どんな悩みかはわからないけど、同じような悩みを抱えた同志の集まり。とても仲の良いメンバーはシャイネンナハトの日に集まりて一晩中語り合っていた……何をって？　聞くな……！
　それよりもベッドに寝転がる四名の夢たるや、あぁなんたる理想郷か。

「ふふ……ふ……そうだよね……すぐにこれくらい大きくなるってわかってたよ……
　むにゃむにゃ……もう、随分と待たせちゃってさ……へへ……」
「ふへ……ふへへへ……お洋服がキツいな……新しいお洋服買いに行かないと……」

　焔やルアナからなんか笑みがこぼれている。
　随分、随分と満足そうな笑みだ――
　余程の充足を味わっているのだろう。しかも、当然と言うべきかその二人だけではない。

「へへ……大人、もう私も大人だからね……！　へへへ……
　夢みたいだぁ……夢にまで見た夢を見てるよぉ……
　あぁ肩が凝りそうで……困るなぁ……！」
「むきゃむきゃ……これでフランさんにも、焔さんにも、ルアナさんにも……勝った……！」
「リリファちゃん……それは言い過ぎだよ……ボクの勝ちだよ……」
「いいえ……わたし、わたしこそが……むにゃむにゃ……」

　フランもリリファも似たような夢をみているようだ。その所為か寝言なのになんか会話が通じ合ってる気がする……そう。聡明なる者ならばお気づきだろうが、全員纏めてお胸がとても大きくなった理想郷の夢の中にいるのだ――四名が長年考えに考えすぎて夢にまで出てきてしまったか！
　……あぁ一夜の泡沫なる一時なれど、今は邪魔をしないでおいてあげよう。
　だって。
「ふへ、ふへへ……やったぁ……月原さん、どうですかこれ……ふへへへへ」
「見てみてみんな……私、ついに……！」
「この感触、待ち望んだよね……みんな……！」
「ええ、これで……世界が、平和に……むにゃ……」
　こんなにも幸せそうなのだから。
　輝かんばかりのこの夜に、祝福を。
　……マジで起こさないでやってください。せめて朝までは……！