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イラスト詳細

マルベート・トゥールーズの緑茶による2人ピンナップクリスマス2022

作者 緑茶
人物 マルベート・トゥールーズ
Lumilia=Sherwood
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2022(サイズアップ)
納品日 2022年12月24日

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イラストSS

 ──シン、と肌に染み入る様な冷気は確かに2人の肌から体温を奪うものでこそあったが、その冷気は音が全て氷の中へと吸い込まれそうな静寂と相俟って酷く心地の良いものに感じられた。

「……すごい」

 そう呟いたのはマルベートとLumilia、いったいどちらからだっただろうか。2人がデートにと選んだお出かけ先は冬になると氷で覆われ、知る人ぞ知る名景となる洞窟だった。その噂に違わず天井から下がる氷柱、足元に生える氷筍は見事なもので、時折害の無い氷の精霊が辺りを遊び回っているのか青みの強い光が氷を照らして一層幻想的な光景を演出していた。

「寒くないかい、ルミリア」
「はい、大丈夫ですよマルベートさん」

 エスコートする様に手を引くマルベートに、Lumiliaは視線を向けずに答える。それは無礼ではなく親愛と信頼だった。その証拠に、Lumiliaは周囲の景色に夢中になっていて自分の足元や前方などにほとんど注意を払っていない。それが意識的であれ、無意識であれ、『マルベートであれば安心して己の安全を任せられる』という表れだった。それがマルベートにとってはたまらなく嬉しい。

「ここにマルベートさんと来ることができてよかった」
「ありがとう。私の方こそルミリアと来れてよかったよ」

 そうして2人は冷え切った世界の中で、穏やかに温かく微笑みを交わしあった。

 ※SS担当者:和了

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