イラストSS

　光降る夜は、人工灯が更に引き立てる。煌びやかな星々を飾り光を反射したのは降り続ける白雪。
　シャイネンナハトの夜に、友人同士で手を引いて過ごす一日は何れ掛け心躍るものか。
　喧噪を眺めるシキのアクアマリンの眸はきらりと輝き、ルル家を見詰める。
　赤いルージュの唇は「シキ殿」と友人の名を楽しげに弾ませた。ルル家の声にシキは頷く。
「そうだね、折角だから此処でしようか」
「はい！　楽しみにしていました！」
　光の海、イルミネーションの下でシキとルル家は顔を見合わせてからそっと小包を取り出した。
　シキが手にしていたのはルル家の眸と同じ常磐色の包み紙に彼女の鮮やかな金髪を思わせるリボンを飾ったプレゼント。
　対するルル家はシキの美しいアメジストの髪に良く似た包装紙にアクアマリンカラーのリボンを飾ったプレゼントボックスを。
　アロマポッドとクリスマスコフレのアロマオイルは日々、忙しなく走り回るシキにはぴったりだとルル家の選んだとっておき。
　シキはルル家の目許の黒さを見ない振りをしながら、安眠マスクに心の落ち着く茶葉をセレクトしていた。よく眠り、心から笑える君が見たいから――合言葉は「輝かんばかりのこの夜に！」

　　＊SS担当：日下部あやめ