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佐藤 美咲のせたあおこによるおまけイラスト
イラストSS
シャイネンナハト。それは年に一度訪れる祝福されし一日。
ある人は友人や恋人と、またある人は家族と過ごす日。そして一部の人はより一層孤独を噛み締める日。
まあそれもこれも特別な一日を祝うためであり、つまりは祭りで、すなわちその言葉の意味することとは…………
「「「かんぱーい」」」
「酒ですわー!!!」
そう、酒である。
この聖なる夜に集ったのは、やれ飲めや歌えやとどんちゃん騒ぐ四人組。
酒瓶から直に中身を喉の奥へと流し込んでいるヴァレーリヤ。肉食獣と化してチキンやらローストビーフを貪るマリア。丁寧な所作でコップに注がれたアルコールという名の燃料を消費していくエッダ。そしてもうすでに出来上がっているのか、赤い顔でうつらうつらしながらもケーキをつついている美咲。
すっかり上機嫌な様子で夜を過ごしていく四人。
時折だが、ほらほら、もっと酒を持ってくるのですわ〜やら、今から自分の一発芸をお見せするのであります!などと言っている声が聞こえてくるがこの賑やかな喧騒も彼女たちの仲の良さによるもの。
だが時間とは誰しもにとって平等に過ぎていくもの。
楽しい時間を過ごした四人は、今やあまり人様には見せられないような姿で床に転がって眠っている。
一体どうすればそんな寝相になるのだろうか。空になった酒瓶を抱きしめながら涎を垂らし、だらしなく笑うヴァレーリヤに、彼女のお腹を枕がわりに抱きついてむにゃむにゃ言っているマリア。そんな二人から少し離れた場所に転がっているのは一発芸の名残だろうか、鼻眼鏡をかけ、少しばかり服装の乱れたエッダ。そしてエッダの重たい腕をお腹の上に乗せられて、苦しげな表情を浮かべ唸っている美咲。
三者三様……いやこの場合は四者だが、しかし全員に共通していることとして皆が見事なまでに酔い潰れてしまっている。
そんな彼女たちの周囲に散らばっているのは酒瓶やら食べかけの料理やら。片付けのことを考えたなら、なんとも頭の痛くなる光景ではある。しかしそれに悩まされることになるのは今の彼女たちではなく、目覚めた後、おそらくは二日酔いに苦しまされているであろう未来の彼女たちの話。
————だがまあ、こんな風に過ごす夜もときには悪くないものである。
※SS担当者:外持雨