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アレクシア・アトリー・アバークロンビーの綾瀬 みゆきによる4人ピンナップクリスマス2021

イラストSS

 輝ける聖夜の聖堂は来訪者でいっぱい、どこもかしこも大忙し。
 祈りを捧げにやってくるファルカウの人々におもてなしをするには一人じゃとにかく手も足も足りない!
 神官見習いでもあるアレクシアが助けを借りたのはローレットの仲間たち。
「アレクシア、先輩、ミルクの温度はこれくらいで大丈夫かな、ですか!」
「大丈夫だよフラン君、お菓子も忘れずにね」
「は、はい!」
 聖夜の夜、緊張でしどろもどろになりながらも頑張って次々と来る人々に奉仕するフラン。辺境とは違うファルカウの雰囲気に気圧されがちな彼女に対し、アレクシアは優しく声をかけながらフランと一緒にてきぱきと巡礼者の対応をしようと足を進める。そんな二人とすれ違うのは、どこか戸惑った様子のスティアとスティアを眺めるクラリーチェ。
「同じ信仰のはずなのに、天義と深緑でこうも違うなんて……」
 天義と勝手が違う事に少しのカルチャー・ショックを覚え思わず巡礼者の聞いてないところで零すスティア。先程までのしっかりとした対応とは異なる姿に興味をいだいたのか微笑んだ様子のクラリーチェが彼女に声をかける。
「スティアさん、違うとはどのような……」
「え? 天義はこう白くて清潔だけど、深緑は温かいって感じかな?」
 客から受け取った空のコップを片手に身振り手振りで話すスティアに対しクラリーチェは楽しげに微笑んで。
「……随分と抽象的なのですね」
「ががーん!」
 いつもの調子のスティアにクラリーチェは笑いながら。でも、ああ、言われてみればそうだな。随分とここは、暖かいんだな。そんな事を、クラリーチェは内心想いながら次の準備を進めるのであった。
「スティア先輩、クラリーチェ先輩! 次の人たちの分もお願いしますー!」
 そうこうしているうちに単身飛んで帰ってきたフランが大急ぎで声をかける。夜が更けて聖堂が賑わってきたようだ、そのうちアレクシアも戻ってきて檄を飛ばすだろう。
「ええ、すぐにご用意しますね」
 クラリーチェは慌てず焦らず、次のミルクをフランに渡して3人で一緒に列を成す一般人のもとへと向かう。
「フランさん、一息ついたら私達もミルクを飲んでおやすみしようね」
「うん、アレクシア先輩に声かけてくれてありがとうっていわないと!」
 シャイネンナハトの夜はまだまだ続く、とっても忙しないけれども、とっても楽しい。女子たちの楽しげな歓迎会が、そこにあった。


 ※SS担当者:塩魔法使い

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