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イラスト詳細

炎堂 焔の黒猫による2人ピンナップクリスマス2021

作者 黒猫
人物 炎堂 焔
アレクシア・アトリー・アバークロンビー
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

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イラストSS

 雪が降り積もった深緑の森の中を進む炎堂 焔は、アレクシア・アトリー・アバークロンビーの下に向かう途中だった。その道中、焔は1つの切り株に目を留めた。
 丁度いい大きさの切り株を見つけた焔は、再度アレクシアを連れてその場所に訪れる。
 雪に埋もれた真っ白な切り株を見た2人は、あるものを連想した。アレクシアと焔は、それと同じように切り株を飾り付けていく。
「最後にここに火をつけてっと……」
 焔はキャンドルに見立てて成形した複数の雪塊の先に火を点す。
「かんせーい!」
 焔はアレクシアと協力して完成させた切り株の飾り付けを、満面の笑みで眺める。
 切り株の上にはポインセチアの花や松ぼっくりが飾られ、赤と緑のクリスマスカラーのリボンで縁取られている。
 焔の特殊な炎は焔の意思によって自在に発火するが、対象をその熱で害することは決してない。切り株の上に並べられたキャンドル状の雪も、炎の影響を受けることはなかった。温かな炎が切り株の周囲を照らし、森の中に現れたクリスマスケーキは一層輝いて見えた。
 「わ、すごいすごい!」と歓声をあげるアレクシアは、焔の能力に感心して言った。
「まさか雪でこんなに綺麗にケーキができちゃうなんてね! これも焔君の能力のおかげだね!」
 アレクシアの一言に対し、焔は実に誇らしげな表情で胸を張る。
 ――去年作った本物のケーキはあんまりうまく飾りつけ出来なかったけど、今回は上手く出来てよかったよ!
「でも、せっかくアレクシアちゃんとこんなに素敵なものが作れたのに、すぐ溶けちゃうのはもったいないなぁ」
 今ここでしか形を残せないケーキを見つめながら、焔はしんみりとつぶやく。
 ――うーん、ここが練達なら、aPhoneで写真を残せたんだけど……。
 そう心中でつぶやきながら、アレクシアは両手の親指と人差し指でフレームを作り、最高傑作のケーキを収める。
 ――まあでも、これがなくなっても思い出が消えちゃうわけじゃないしね!
「私達だけの楽しい思い出ということで、忘れないでいよう!」
 焔はアレクシアに励まされ、表情を綻ばせる。
 寄り添うように飾られた赤と白のポインセチアは、焔とアレクシアの2人を現しているようにも見えた。


 ※SS担当者:夏雨

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