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シラスのしもふりによる2人ピンナップクリスマス2021
シラスのしもふりによる2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
「みつかった?」
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)は自分より先を歩くシラス( p3p004421)に声をかける。
はあ、と吐いた息は白い。
いつもだったらシャイネンナハトは幻想で楽しむのだけれども今回だけは特別。
新緑の民にだけ伝わる伝承。
シャイネンナハトの夜だけに咲くその花「スピネル」。
スピネルが咲いた瞬間を見たものは幸せな一年を過ごすことができるというものだ。
本当にあるのかどうかはわからないけど、なんていえばシラスはぜひ見に行こう! と小さな冒険に乗り気になった。
「見つからないなあ」
そうそう簡単にみつからないから、伝承が残るんだろうけどね。
とシラスは続けた。
新緑の雪山の奥。寒さが身にしみる。
「きゃっ」
ガクンと突然アレクシアの体が斜面を滑り落ちていく。
「アレクシア!」
シラスは斜面を彼女より早く駆け下りると、落下点でなんとか抱きとめる。
「あの、シラス君……ごめんね……あっ!」
抱き上げられた彼女の目に映るのは桃色の宝石のような蕾の花。今にも解けそうなそれはこんな崖の下にあったのだ。
「おお……」
振り向いたシラスはその神秘的に美しい開花をみて破顔する。
「すごいね、アレクシア! 綺麗だな!」
「うん」
アレクシアは実はシラスにはひとぉつだけ内緒にしていることがあった。
この花が咲くのを見たものは幸せになる。それだけじゃない。
一緒に見た相手ともっと仲良くなれるという伝承。
その伝承も本当だったとアレクシアは笑った。
※SS担当者:鉄瓶ぬめぬめ