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清楚と悪魔が交わる夜に
清楚と悪魔が交わる夜に
イラストSS
ここはクラシック的な雰囲気の漂うレンガ造りの屋内。少しばかり街から離れたこの場所で今、他に観客のいない二人だけの音楽会が始まろうとしていた。
「さて始めましょう。マルべートさん」
アリアはマルベートにアイコンタクトを送った。
「そうだね、そろそろ弾こうか。アリア」
マルベートもアリアに対してアイコンタクトを送り返してうなずき、揃って楽器を構えた。アリアは愛用のコントラバスを、マルベートは自前のアンティーク風のヴァイオリンを構えている。一方で部屋に着けられた窓からは淡雪が舞う様子が見受けられる。
しばらくして、一拍のブレスから演奏が始まった。二人とも楽器が弾きなれているのもあってか演奏が始まってからずっと笑顔が見えている。清楚な白いドレスを着たアリアとどこか男性的な黒い燕尾服を着たマルベート。対照的に見える二人の衣装だが、その表情は少々形が違えどどちらもやはり笑っているのであった。曲目は奏者も自然と笑顔になる楽しげな曲や、技術が必要な少々高難易度な曲まで、様々な曲が行われた。こうして行われた二人だけの演奏会、二人そろって楽しみながら行われた、二人だけの聖夜の夜の一幕は、夜が更けていくまで続いていくのであった。
※SS担当者:桃山シュヴァリエ