イラストSS

　シャイネンナハトの日――焔にルアナ、フランにリリファは一室に集った。
　そう彼女らの集まりはかくも有名な小さなお胸同盟！
　……一定の共通『特徴』を持つ者達の集まりである！

「ごくごく……ぷはー！　いや、今年もあと少しになりましたね……」
「季節が巡るのは早いよねーでもでも、来年こそ悲願達成だよ……！」
「そうだよね、リリファ先輩！　焔先輩！　来年の夏こそは……」
「――タンスの奥にしまってる服を着るんだから！」

　お菓子やジュースやらを持ち込んでかんぱーい！
　クッキーを食べるリリファと共に目を輝かせている焔。更にマグカップの中身をスプーンと共にぐるぐる勢いよく回して混ぜるフランも、ケーキとホットチョコを抱きしルアナも――皆が抱く夢は同じだ！
　そう――来年こそは胸が大きい人用の衣装を着るんだ……！！
「確かに今がチャンスだね！　次の夏はないすばでぃーだ！」
「胸元が開いてるタイプの服なんだよね！　おっきくなったら映えるだろうなぁ……！」
　フランとルアナの瞼の裏には、もう夏の光景が見えている。
　輝かしい海――眩しいばかりの太陽――
　その中ではしゃぐ自分達。おむねが揺れて、誰しもの目を釘付けだよ！
「ふふふそうですね皆さん！　次の夏こそ見返してやるチャンスですよ！」
「おっきくなったらさ！　いっそさ、こーんな紐みたいなやつでも……」
　続け様にはリリファも焔も大胆な水着姿を想像するものである。肌面積、肌面積！
　想像しうるは豊かなる未来。誰もがその光景が来るのだと信じて疑わぬ――
　まぁこういうのを俗に現実逃避と言うんですけれどね！　でも誰も揺蕩う可能性だけの話だとは指摘しない。むしろどんどん夢の話を膨らませていく程だ――全然関係ない話ですけど、風船って膨らみ続ければいつか割れるものですよね。うん。いや全然関係ない話ですが！
　……だがまぁ止めるまい。皆して和気藹々、幸せそうだ。
　夢を見る権利は誰にだってある。
　特に祝福の日であるシャイネンナハトの日――
　もしかしたら奇跡を叶えてくれる、紅い衣の御爺さんでもいるかもしれないのだから……

　……えっ。無理なモノは無理って？　いやそんな事言わずに可能性だけでもなんとか。えっ、四月一日になんとかしてくれ？　そんなー！！