イラストSS

「おいルシア、もたもたしてると置いていくぜ？」
「ちょっ、待ってください～！」

　夜景が輝くシャイネンナハト。
　星空が煌めく空の上で、２人のサンタ――赤い衣装に身をまとったアルヴァとルシアがプレゼントを持って駆けていった。

　大きな袋にいろんなプレゼントを詰め込んで、えっちらおっちら、寝静まった街の空を走って。
　眠りについた子供達のそばに用意しておいたプレゼントをそっと置いたら、何もせずにそっと次の目的地へと移動して。

　あまりにも機動力が高いものだから、起きている誰かが空を見上げたところでその姿を捉えることは出来ず。
　辺りには緩やかにサンタが巻き起こす風が吹きすさぶ。

　そしてたまには休憩を入れて身体を休めながら、次に向かう目的地を確認する。
　しっかりと、プレゼントを詰め込んだ袋だけは手放さないように気をつけつつ、２人で残ったプレゼントの数を見て笑いあった」

「さて、まだたくさん残っているな。今夜中に全部届けていくぞ！」
「ええ、そうですね。日を跨いだプレゼントなんて、ちょっとみっともないですし！」

　少し身体を休めた２人のサンタは、また空を駆けてゆく。
　シャイネンナハト、誰もが争いを止める平和な夜を。


　※SS担当者：御影イズミ