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蒼鷹
蒼鷹
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『戒告。あゝ、矢張り。外の者など穢らわしい、悍ましい。全て、全てが不要也――』
――斯くして、悪魔は西へ消えたのだ。
嘗て、旅路の果てに立ち寄った人間たちの村で。
ひとりのおんなを愛した。
透き通るような歌声の、うつくしいおんなであった。
けして許されぬ恋をして。
けして遂げられぬ愛を信じ続けた。
ただひとりのにんげんを愛した男。
とこしえの涯てにさいわいを望んだ男。
自らを廻る時の流れを呪った男。
『永劫の祝福』を。求め、歩み続けた男。
私は叶うならば。……愛する人と、時を分かち合いたかった。
ぬばたまの髪と薄氷の瞳を持つ幻想種。
エーリカのいのちのみなもとたる古き夜(ニュイ)の民。
おとこは今、ただ静寂を望んでいる。