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【黒鎖の邪神】ヴェンデッタ
【黒鎖の邪神】ヴェンデッタ
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嘗て見下していた人間を【肉の繭】にしようと試み、逆に破り殺された邪神はもう居ない。
ーーしかし、もしもこの混沌に現れたのなら。
成って間もない魔種に近づき、甘言の後に取り憑くだろう。
そうして徐々に相手を擦り減らし、己の楽しい傀儡にして遊ぶ筈だ。
その為に努力は惜しまない。
傲慢が地を這い叫ぶ様を観る為に。
嫉妬が見失い虚無になった様を嗤う為に。
怠惰が動くことしか出来ない様を弄ぶ為に。
強欲が虚空を掲げ壊れて笑う様を聞く為に。
色欲が何も愛せず啜り泣く様を知る為に。
暴食が苦しみ泣きながら食す様を嘲笑う為に。
憤怒が虚しく灰になった様を味わう為に。
この邪神にとって、魔種とは少し我の強い人間程度の存在なのだから。