イラストSS

　シャンシャンシャン、シャンシャンシャン。

　聖なる夜。輝かんばかりのこの夜に。……ベルの音が響き渡る。奇跡が空を飛んでやって来る。プレゼントを渡しにやって来る。
　果たして、それを最初に言い出したのは誰だったのだろうか。一体何処から始まったのだろうか。
　そんな事はどうでも良い。元来の意味など意味もない。

　何故なら――その聖夜の魔法に焦がれる者が居る限り、聖夜の奇跡は途切れないのだから。

　今夜の奇跡の紡ぎ手は、二人のサンタクロースにして、二人のトナカイ。旅人のイレギュラーズ、コスモ・フォルトゥナと、ニャムリ。
　空飛ぶ魔法のトナカイ――の寝るお布団に、空飛ぶ魔法のソリが引かれ……そして、そのソリの中には煌めく数多のプレゼント！

「なるほど。これが、サンタクロース……！」
「うん、完璧だよトゥ。さ、プレゼントはまだまだあるよ」
「はい……！」

　シャンシャンシャン、シャンシャンシャン。

　満載されたプレゼントを――きっと子供達の喜びとなる、“奇跡の魔法”が、二人のサンタクロースによって次々と配られる。
　次々と、次々と…………

　――聖なりし夜。真白の雪降る輝かんばかりのこの夜に。
　確かに心優しき“サンタクロース”が此処に居たのだと、世界は記憶しているのだった。


　＊SS担当者：黒矢NM