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新道 風牙の綾瀬 みゆきによる4人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
神威神楽に住まうつづりとそそぎにとっては初めての『シャイネンナハト』がやってきた。
大陸の文化圏から隔絶されていた黄泉津の住民である二人に風牙と愛無は祭りを教えようと二人にとっては見慣れないコスチュームを着込んで二人の住まいを訪ねる。
「……わ」
「それ、何……?」
つづりとそそぎの前に立っていた風牙は赤い烏帽に白く長い顎髭の和風サンタクロースの紛争である。和風、としてあるのは二人にとっても見慣れた衣服であるからだろうか。
「『輝かんばかりのこの夜に(メリークリスマス)!』
――これがオレの世界のシャイネンナハトの使者の恰好だ!」
「だ、そうだ。驚いただろうか?」
クラッカーをぱーんと鳴らした愛無は室内につづりに頼んでおいた品が揃っていることに頷いた。西洋の菓子であるクリスマスケーキを霞帝が菓子屋に作らせておいたと聞き、注文をしてあるから受け取って欲しいと頼んでおいたのだ。
ケーキの上には雪だるまが二人。切り株が飾られたシンプルなケーキである。
「これと? その変な扮装をして過ごす日ってこと?」
つんとした態度をとるそそぎにつづりは「けーきを食べる日、かな」とぱちりと瞬いた。
「いやいや、これだけでおしまいじゃないんだぜ?
……ほら、そそぎ。プレゼントだ。シャイネンナハトの使者は良い子にプレゼントを持ってくるんだぜ。
あ、勿論、つづりは後でな」
「……ぷれぜんと?」
そそぎは驚いたようにまじまじと見遣る。厳しい表情をしているがそれが嫌悪感で無いことを風牙も愛無も気付いている。恥ずかしがっているのだ、彼女は。
「そそぎ、よかったね」
「つづり……」
受け取るべきかどうか、迷うような顔をしていたそそぎはつづりの言葉にぐうと息を呑んだ。
「――、仕方が無いから、受け取ってあげるわよ」
ふん、と外方を向いたそそぎに風牙と愛無、つづりは顔を見合わせて笑った。
初めてのシャイネンナハト。外の文化。それでも、自分たちを救ってくれた『神使』が齎してくれたものだと思うだけで、こんなにも愛おしいのだ。
*SS担当者:夏あかねGM