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12/23
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イラストSS
12/23――明日にはシャイネンナハトがやってくる。
華蓮は『彼』の予定がぎっしり詰まっていることなど想定していた。そんな彼の個人的事情になど関係なしに仕事は山になる。
「やばいのだわ」
華蓮はそう呟いた。
ギルド・ローレットのレオンの執務室には書類が山積みになっている。今までのイレギュラーズの報告書や、議案書エトセトラエトセトラ……。
これを片付けなくては明日のシャイネンナハトを快く過ごせないでは無いか。
華蓮は自身の予定を一度『余所』に置いて、書類の片付けに精を出す。
此れは『処理済み』、此れは『再度要チェック』、この資料は彼方の棚へ……右往左往という言葉が当てはまる彼女は髪を結わえ上げ、可愛らしいワンピースが埃塗れになる事にも頓着せずに必死に資料を運び続ける。
「レオンさん、これはこっちでいいのだわ?」
「ああ」
振り向いてから華蓮はぴしりと固まった。休息になればと紅茶を淹れてだしたのは良いが、彼は仕事の手を休めてのんびりと此方を見ているのだ。
「レオンさん、間に合わなくなるのだわ!」
「それは、今夜0時にってこと? それとも明日の……何時を想定してる?」
「そ、そういうことじゃ無くって……」
「終わるまで一緒だろ?」
揶揄うように笑った彼に華蓮は頬を膨らませて「もう!」と外方を向いた。
ああ、何時だって貴方は狡いから――華蓮は唇を尖らせたまま慌ただしく資料を運び部屋を後にした。
*SS担当:夏あかね
挿絵情報
- 公認設定『お手伝い』