イラスト詳細
ジングルベルの音色の方へ
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作者 | sima |
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人物 | リウィルディア=エスカ=ノルン アオイ=アークライト |
イラスト種別 | 2人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2020年12月24日 |
7
イラストSS
クリスマスソングが再現性東京の街中に響き渡り、街の明かりが仄かに二人の道を照らし出す。
灰の髪を冬の空になびかせて、リゥイルディアはアオイと一緒に遅い放課後のデートを楽しんでいた。
「ねえ、アオイ」
街に流れる旋律が雑踏のざわめきを打ち消し、次第に二人の話し声以外が聞こえなくなった刻。リウィルディアは胸の暖かさを言葉にしようと勇気を振り絞る。ああ、嗚呼、アオイの翡翠色の瞳に見つめられた瞬間、それは喉の奥にせき止められて。
「……楽しいね」
「ああ、そうだな」
やっと言えた言葉はぐるぐると巡る想いを伝えるには余りにも小さかった。アオイはクマのある目を細めて、一緒に巻いたマフラーを大切そうに巻き直してくれたけど。
リウィルディアはわかっている、あの人はきっと中の良い男女の『友達』がする振る舞いをしたのにすぎないのだ、と。それでも。
思いが伝えられなくても、二人きりで一緒に居られるこの瞬間が、今はたまらなく愛おしかった。
アオイがふとショーウィンドウに目を止める、リウィルディアはそれに気づくと繋いだ指の手を少し強く握りしめ、彼を引っ張る様に明りの中へと歩みを進めるのである。
思いは伝えられなくとも、ちょっとだけ強気に行ってみよう。白銀の乙女は、密かにそう、思うのであった。
*SS担当者:塩魔法使いGM