PandoraPartyProject

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慣れない事はするもんじゃない-ラフ-

イラストSS

 まるで、異世界に迷い込んだかのような絢爛な輝き。
 その雰囲気に”あなた”が戸惑っていると――。
「こういうところに来るのは初めて? 楽しんでいって貰えると、嬉しいよ」
 王子様然としたフェルディン・T・レオンハート(p3p000215)が恭しく手を差し出し、膝を折って手の甲に口づけを落とす真似をする。
――王子様だ。
 その様子があまりに自然で、様になっていたものだから、反応はわずかに遅れる。
「こちらへどうぞ、レディ」
「1名様ご案内、だ」
 プラック・クラケーン(p3p006804)は挑発的に笑い、距離を詰めた。
「そう固くなるなって。好きな曲あるか? 最近の俺のおすすめは――っと」
 思いのほか馬鹿デカいBGMが鳴り響いて、「うるさいぞ」と声が上がる。
 緊張が解けて、思わず笑みをこぼした。
 ふと、カイト・C・ロストレイン(p3p007200)と目が合う。
「ああ、ごめん――ようやく笑ってくれたみたいだったから」
 となると、店に入ったときから、この端正な顔立ちの騎士に見られていたのだろうか。
 そう思うと、思わず頬が熱くなる。

 緊張が解ければ、だんだんと楽しむ余裕が出てくる。
 不意に、あなたの目の前に強い酒が置かれる。注文の間違いだろうか。
 どうしたものかと戸惑っていると、隣に座ったグリム・クロウ・ルインズ(p3p008578)が、さりげなくアルコールを代わりにあおった。
「……余計な世話だったろうか。そうではない? なら、いいんだが。……騒がしいところは……苦手か。俺も、まあ、そうだ」
「あ、何? 注文間違ってたって? ったく……悪ぃな。次は何がいい? 店が奢るからよ」
 そういえば、プラックはあなたのグラスを空っぽにしないように気を回している。
「ああ、気にすんなよ、俺が飲みたいだけだ。なんてな?」
「おい、あまり困らせるな」
「はは、アランの奴、俺が悪さしてないか心配してるらしい」
 アラン・アークライト(p3p000365)がこちらをにらんでいる。機嫌を悪くさせてしまったのかと一瞬思ったが、そうではないとわかる。
 盛り上がった客が立ち上がって、あなたの席にぶつかりそうになったとき。誰よりもはやく反応したのはアランだ。身を挺してかばってくれた。
 短く礼を言えば「それほどのことではない」とそっけなく言って、「大丈夫かい?」とタオルを持ってきてくれたフェルディンと交代するように引っ込んだ。
 あなたは確信するだろう。ここが地上の楽園であることを――。


 *SS担当者:布川GM

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