イラスト詳細
ほーらガキ共ステイでありますステイステイ……ステイだっつってんだろがゴルァ!!
ほーらガキ共ステイでありますステイステイ……ステイだっつってんだろがゴルァ!!
イラストSS
「手伝ってくれたら奢ってあげますわ」
ヴァレーリヤの言葉に釣られてやって来たスラム街。エッダは目の前に並ぶ子供達を、少しだけ眉間に皺を寄せて見ている。
しかしそれは嫌悪の感情からではなく、親しみの籠ったものである。
「ほーらガキ共押すなステイステーイ」
聖夜に二人がしているのは、スラム街で恵まれない子供達への施し。
「どうぞ、遠慮なく持っていってくださいまし」
傍らにある鍋からスープを器に入れ、目の前にいた少女にヴァレーリヤが優しく笑み器を渡す。
ありがとうと言って受け取った少女を見て、他の子供達が騒ぐ。僕も私もと言ってお腹を空かせた子供達が我先にと手を伸ばす。
「押すな、押すなって言ってるんだろうがコラ!」
子供達の勢いに負けそうになるエッダは、その勢いをやり込めながらもう一つの贈り物、シュトーレンの袋へと手を伸ばす。
シュトーレンを渡しつつ、隣へ目配せをするエッダ。くすくすと笑いながらヴァレーリヤはそれに応じる。
「皆さん、並んでくださいまし」
そう言っても聞かない子供達。
「どうか貴方方の行く先に、主のご加護がありますように」
祈りの言葉は、子供の喧騒に消えた。
※担当『灯火』