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『輝かんばかりのこの夜に』
『輝かんばかりのこの夜に』
イラストSS
クリスマスの夜は賑やかだ。
フィーネの腕に掴まり、その暖かさを感じながら、小夜は思った。
街はもちろんそうだし、いつもは物静かなフィーネがハシャいでいるのも含めて、だ。
「大丈夫ですか、小夜さん」
「ええ、フィーネのおかげね」
矯正が効かない瞳の小夜は、いつも持っている杖を置いてきてしまった。
視界にあるのは、ただ明暗で区分された世界だけだ。
(本当はギフトで補えるのだけれど)
それでも見える訳ではない。隣にいるフィーネだって、はっきりと見えない。
だから、その分を補う為に、触れて、感じたい感情がある。
「あっ、あそこのお店が面白そうですよ!」
そして、先導するフィーネもまんざらではない。
二人で街を歩き回り、店を冷やかしたりして、歩き疲れた頃には宿に帰って。
「ただいまと、おかえりなさい。姉さま」
照れが残る笑みで、そういうのだ。
※担当GM『ユズキ』