イラストSS

　やってきました、シャイネンナハト！
　
　竜胆・シオンと炎堂 焔は街に繰り出す。だって素敵な夜のため。プレゼントを送るためにじっとはしていられない。
　燃えるような赤い髪を三つ編みに結いた焔は同色のセーターに白いチノパンというカジュアルな装い。
　対するシオンはチャコールグレイのセーターワンピース。胸元の同色の毛糸で編まれたコサージュが愛らしい。茶色のベレー帽がよく似合う。まるで少女のようなそのすがた。
　だからこそ焔にとっては最高の男友達、というよりは女友達におもえるのだろう。
　こんなふうにファッションのお店に一緒にはいるのは楽しくてしかたない。まず焔はシオンの姿を上から下までみつめる。あたたかそうな格好ではあるのだが、広げられた羽根が寒そうに思えた。
　次に焔はぐるりと周囲を見渡す。ああ、みつけた。
　焔はいくつかのストールを両手にもってシオンのもとに戻る。
「羽根が寒そうにみえたから」
　と、焔はまず赤いストールを背中にあてる。黒と赤の組み合わせは素敵だけれど、服装にはあわないかな？　ちょっと残念。だってそれは私の「赤色」だから。
　次に黒いストールを。シャープすぎてシオンにあわないかな？
　じゃあ、白いストールなら？　あれよあれよとファッションショーが始まる。
　シオンはされるままに焔専用のファッションモデルだ。
「まあいいか」
　そうおもって焔の思うようにさせている。そんな彼からの焔へのプレゼントはきまっている。
　手の甲にコサージュのついた赤い手袋。
　焔には赤以上に似合う色はないのだから。

　※担当GM『鉄瓶ぬめぬめ』