◇ねむい
「んー、コーヒー美味しい」
うららかな昼下がり、ミルクと砂糖を適量落とした
コーヒーを頂く。窓の外の深緑ならではの緑豊かな
景色や鳥の声も相まって、中々幸福感のある時間。
「いい景色だねえ、気候もいいし、日向ぼっこしたいねえ」
…まあ、だから眠くなるのだけど。
流石にコーヒー一杯のみではこの眠気には勝てそうもない。
もぐもぐ欠伸を噛み殺しつつ、他にいいものないかと
荷物を弄る。
片付けできてない鞄から出て来るは大きめのクリップ。
おせんたくもの用に買ったやつ。
バネがしっかりしていて、これが有れば風が強い日でも安心。

ー悪魔的発想が脳裏に浮かぶ。
これ尻尾に挟んだら痛くて目が覚めるのでは？

なんか想像するだに想像したくない
痛そうなビジュアルが脳裏に浮かぶが

しかしそんな事考えている間にも
瞼がフリーフォールしそうになっている。

依頼失敗はよろしくない、覚悟を決めて
尻尾をがっと掴み、先っちょにクリップを
バチンと挟み込む。

「ミ“”ッ」

想像の三倍ぐらい痛くて変な声出た。
手が所在なさげににぎにぎされる。
外したいけど、外したら多分寝る。

◇バク出現後
「ふー、ふーっ」

痛みでだいぶ悪くなった人相で
バク達に向き直る。

「君たちとっ捕まえないとクリップ外せないんだよねえ…！？」

自分でやっといてお怒りの様子。
完全なる八つ当たりだ

四つ足ムーブで体からバクに突っ込んでいく。
捕獲道具ないので両前足、基両腕で抱え込む