PandoraPartyProject

ギルドスレッド

待ち惚けの館

【個別RP】晴れ、時々内見

豊穣の小さな集落、その末端。
アルヴァが目を付けたのは、少し広めの一軒家。
幻想の拠点とは一風変わった長屋は、練達でいえば"和風"で、日本人から見れば"昭和チック"な家といえるだろう。

今回は二度目の内見。
愛奈を誘ったアルヴァに、その決心は付くのだろうか?

【豊穣】
人が少なく、小さな集落。
家の裏は山が広がり、門を出れば広い畑が見えるほどの田舎。
あと、近くに温泉があるとかなんとか。

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「そういや、愛奈が前の世界で住んでた家はどんな感じだったんだ?」
 突然出かけようと、愛奈を連れて出かけてきたのは以前にも来た豊穣の新築。
 本格的に色々と考えているらしく、買うのであればお高い買い物になる為、家を目前にし少し緊張している様にも見える。
どんな、ですか。
極一般的な昭和の一軒家に書店が引っ付いてる……と言って、アルヴァさんには通じませんねえ。
どう説明しましょうか……
(うーん、と唸り)
「ショウワって、練達じゃよく聞くが、何の事かよくわかんねぇんだよな」
 ショウテンガイにある本屋みたいなやつか? と、小さく呟きながら。

「とりあえず、中に入ろうぜ? 数日前、既に内見の許可は取ってあるんだ」
 門を開いて少し中に入ると、愛奈の方を向いて右手で手招きをする。
昭和というのは……年号。時代の呼び方ですね。本来はてんn…帝が変わる時に代わってたものですが……
まあ詳しい事は置いておいて。それぐらいの時代の感じってことです。

しかし本当に好きですねえ豊穣。良いところではあると思いますが。
(はいはい、とついていく)
「年号、時代……うーん……?」
 あまりピンとこなかったらしいが、あんまり考えないことにしたらしい。
 玄関まで歩き、ガラリと引き戸を開き、玄関内へ足を踏み入れる。

「あ…………」
 と、そこで何かを思い出したように愛奈の方を向くと、徐に右手を差し出した。
様式というか。それぐらいの時代によくあった建物でした、と言ったところですかね、私の店は。

――?(くびかしげ
「……あー、ええと、おかえり」
 ちょっと微笑みながら、直ぐに手を引っ込めた。
 心なしか、少し頬が赤い。

「いやなんの、ちょっとやってみたかっただけなんだ」
 そういいながら、ブーツを脱いで中の方まで入っていく。
……まだ買ってないでしょうに……はいはい、今戻りましたよ。(苦笑半分溜息半分)

で、今回は何を重点的に見たいんですか?
「んと、今日は間取りとか、収納スペースとか、利便性を見ておきたいなと」
 前回の内見は、ざっくりした雰囲気しか見なかった。
 だからこそ、今回は住む上での利便性はどうかと考えているのだろう。

「静かな方が好きとはいえ、不便な家はストレスも多くなるって、貴族の知り合いが言っててね」
利便性……なるほど。
確かに日常使うつもりなら細かいところは見ておくべきですね。

収納は最悪後から別棟借りればいいとかはありますが。日々の買い物とかは……
「別棟。金があるならね」
 苦い表情と少し小さな声で呟くと、奥の方まで進んでいく。

「食料品とかの買い出しは、最低限この村にもあるし、最悪俺が都の方まで走るかローレット支部のワープ装置を使えば各国に買いに行けると思うぜ?」
それはそう……まあ、納屋か倉庫の類ならDIYしてもいいんじゃないです?

買い出しもまたそうなんですが……「それをどの頻度でやるの?」ってとこですよ。
流石に週1で私用ワープとかやってたら怒られそうですよ……
「…………」
 そこそこ頻度で私用ワープしてるけど黙っておこ、って顔。

「武器の整備くらいならできるが、DIYできる程、俺の身体も万全じゃないぜ」
 右手で左袖を掴んで落として、そういう事だから、収納スペースが欲しいんだと。
 まず向かったのはキッチンの収納スペースを開けてみる。普通の収納スペースだ。
……ふむ。まあ普通っちゃ普通ですね。
何か備蓄しておきたいものとかがあればちょっと置き方考えないといけなさそうですね。
「ここは、米なら60kg入ればいいってところか? 確かに少し狭いな」
 他にも下に10kgの米が入りそうな収納スペースが5つ、それなりに広いスペースが上に4つ、あとはガスコンロと換気扇と、炭火で何か作れそうな場所。

「あとは、このままだとナマモノを保存しておけるスペースがねえな。肉が腐っちまう」
 見回しても冷蔵庫とか便利なものはない。
 電源も近くには無く、どうしようかと首をかしげ、愛奈の方を見て。
生ものねえ……氷室でも作ってもらいます?
味噌漬けやら塩漬けやら作る方が現実的ではあると思いますが……手間はかなり掛かりますね。
「下処理して干し肉にすんのは何度もやってるが、やはり生でも保存しておきたい」
 種族的に、生肉を食べたくなることもあるのかもしれない。
 それはそれとして、キッチン周りの保存スペースは少々課題ありだなとぼやいてから、キッチンの隣のリビングルームを抜け、和室まで足を進める。

「ここは……変な床だよな。乾いた草っぽい匂いもするし。嫌いじゃねえけど」
 床を見て、どうやら畳のことを言ってるらしい。
 隙間に指を入れて、片手で畳を外そうとしている。
生は……肉でも魚でも大分苦労しますよ、多分。
いよいよ自分で狩りして捌くのが一番早いかもしれません。

ああこら、剥がさない。
これは畳と言って……この地方のカーペットみたいなものです。
「いやいや、ここにも収納スペースがあるんだよ。ほら、ここ」
 畳を剥がすと、その下に大きめの収納スペースが見える。
 開いてみれば、大きさ的に季節外れの布団や毛布をしまう場所だろう。

「この大きさなら隠れることもできそうだな」
つまり出し入れするたびにこれやるんですね……
追いそれと開けられませんねこれは。

……見つけられる自信ないですよここ。
「これからの時期、この部屋にゃ炬燵とか設置したいし、滅多に使わない貴重品とか入れとけば下手な金庫より安全か?」
 ぱかぱかしつつ、蓋を閉めて畳を元の位置に戻す。
 丁度8畳ほどの部屋にはふすまもある為、収納スペースは十二分にあるだろう。

「そうそう、一個気になってた場所があるんだよ」
 ふすまを開けて中を見ていた彼は、思い出すようにふすまを閉じると、足早に和室を出て愛奈を手招きする。
まあここに収納あるとは思わないでしょうしね……火事とかになったら悲惨ですが。

はいはい?どこでしょ…?(ついていく)
「ん、ここ」
 向かったのは、二階に向かう階段……の隣。
 どうやら階段の内側に大きめのスペースがあるらしく、少し薄暗いそのスペースを指した。

「ここ、収納に使っちまうのは少し勿体ないかと思って。書斎には少し狭いけど」
 などと、秘密基地を作りたい子供みたいな雰囲気で続ける。
 スペースとしては合計3~4畳ほどのスペース、何かに使えそうだと言いたいらしい。
なるほどこれは……うーん。階段裏に押し込められた眼鏡男子を思い出す構図ですね……

ただ物置にしてもよいですが、どちらかというと作業台とかを置くと集中できてよさそうですね。
銃を捨てる事はまだないでしょうし、普段は扉を閉めておけば見えませんしねここなら。
「眼鏡男子……? 」
 キョトンと首をかしげ。

「ちと狭いのは我慢するとして、一番の問題は換気ができそうにないところか。
 できれば温度を管理できるようになると嬉しいが、オーダーも視野に入れるべきか?」
ふふ。そういうファンタジー小説が故郷にあったんですよ。

ああそうですねえ…換気には苦労しそうです。湿気だけが問題であれば炭でも置いておけば解決しそうですがそれ以外だとちょっと困りますね……
「整備の際に気化すると毒性のある薬品を扱えないのがデカい。
 特に俺の乗ってるホバーボードは推進部にニトロってシステムを用いてる。
 ナイトラス・オキサイド。こいつの毒性が強いんだ、密室で取り扱うのは自殺に等しい」
 饒舌にぺらぺら話すのは整備が好きだからか。
 とにかく、整備をする上で換気性が無いのはかなり致命的なようで、ぐぬぬと苦い表情を浮かべた。
電気でも来てれば換気扇が付けられるんですけどねえ……ここだとそれもむずかしそうで。
南下良い感じに風を生み出す魔法とかないんですか?(うーん
「ないこともないが、空気を逃がすには風だけじゃ足りないな。
 まあ、まだここを買うって決めたわけでもないし、決めてから考えるか」
 直ぐに良い案は思いつかなかったらしく、この場は保留にするらしい。
 階段横のスペースを一度閉じると、その足は次に階段の方へ向かう。

「えっと、二階は四部屋あるが――」
 と、言い掛ける前にまた何か引っかかったのか、途中で静かになってしまう。
 その後、また愛奈の方を見て。
まあそううまい事にはならないですねえ…(ふうむ

二階ですか……前も思いましたが珍しいですねえこの辺だと。
……どうしました?
「と、とりあえず三部屋は俺の部屋と愛奈の部屋と、寝室でいいですか」
 急に敬語。彼は少し早る性格らしい。今更だが。
(このヒトはホント、の顔)
私の部屋はまあ部屋が余って仕方が無かったら下さい。先に必要なもんがあるでしょう多分。
「いやいや、でも女性は個人の部屋が無いと困るって聞いたぞ?
 何が困るか具体的には教えてもらえなかったが……」
 今度は焦っているときの早口である。それ以外のことを考えていない。

「そ、それに、仕事関連のアレソレは引き続き幻想の館に置いておく。ここにそういうのを持ち込むつもりはねえし、広さ的に足りなくなるってことはねえだろ。多分」
 大概、信頼の薄い言葉だが。これでも真面目らしい。
私の故郷ではかなり昔は無かったらしいですよ。

まあ、仕事は持ち込みたくはないですねえ。そういう場所ではないでしょうし。
……というか仕事は続ける気なんですね。
「…………」
 うるさいくらいに話していた時とは反面、黙りこくってしまう。
 自分の身体の事とか、愛奈と向き合う上で課題になることは本人も判っていただろうに。

「愛奈は、その辺どう思ってる」
隠居先を探しているはずなのに銃は捨てないんだろうなあと予想通りの気持ちです。
今までだってあれだけ安静にしろって言っても聞かなかったのに、今更では?
「……ごめん」
 耳と尻尾がしゅんと垂れて、バツが悪そうにぽつぽつと話し始める。

「あの土砂降りの日から、色々と考えたんだよ。愛奈が一緒に居てくれるなら、大人しく隠居生活を送るのもありかなって、んなことも考えたこともある。今考えれば随分自分勝手だけどよ」
 でも、と愛奈の目を見て、更に続けて言った。

「多分、自己満足だと思う。航空猟兵の隊長だってちゃんとできてねえし、愛奈の言うこと聞かずに迷惑かけたことだって沢山あるのは分かってる。わかってるけど、それとおんなじくらい、死ぬまでにやりたいことが沢山あるんだ。多分、今隠居すれば、絶対に後悔する」
ならまあ……まずはそのやりたいことを片付けるところから、ですね。
「……うん」
 少し辛気臭い空気に気まずくなったのか小さな声で、こくりと頷いて。

「っと、内見に来たってのに、話が逸れちまったな。一旦出直すか?」
 二階へ行こうとしていたが、この様子で内見を続けても引き摺るだろう。
 そう思ったらしく、半ば同意を求めるように、愛奈へそろそろ帰ろうかと促した。
――了解です。今日の所は引き揚げましょうか。
見たりないのならまた来ましょう。今度はおにぎりでも持ってのんびり見れるといいですね。
「うん。買うとしても高い買い物だから、な。もう一回くらいは内見に来ようか」
 玄関出口に向かうと、靴を履いて愛奈に手を差し伸べる。
 手を繋ぎたいらしい。
(そっと手を取って)
ええ、そうしましょう。
(手を繋いだまま、一先ずその日は帰路へ就いた)

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