ギルドスレッド
スレッドの一部のみを抽出して表示しています。
待ち惚けの館
「正面切って生きれねえのはお互い様だろ」
右の肩と掌を動かし、まだ満足に動くことを確認する。
目の前の同じような姿をした少年に吐き捨てるようにそう言うと、ブリンクスターを起動したまま軽いフットワークで2,3回小さく跳んだ。此方はまだやる気らしい。
「さ……て、依頼が大失敗になる覚悟はできたか? 請負人が帰って来ない、な」
右の肩と掌を動かし、まだ満足に動くことを確認する。
目の前の同じような姿をした少年に吐き捨てるようにそう言うと、ブリンクスターを起動したまま軽いフットワークで2,3回小さく跳んだ。此方はまだやる気らしい。
「さ……て、依頼が大失敗になる覚悟はできたか? 請負人が帰って来ない、な」
キャラクターを選択してください。
- « first
- ‹ prev
- 1
- next ›
- last »
●山賊の捕縛依頼
ローレット・ギルドの依頼というのは、甚く不思議なものだ。
召喚されるまで、或いはギルドへ所属するまでは犯罪として定められ、破れば監獄島へ島流しされてしまうことさえ、時に依頼として舞い降り、ローレットの名のもとに公的な仕事になる。
「ええ、こちらの山賊たちの捕縛、首だけでも構いません。
この者たちはあまりにも、罪のない人々を殺して、奪いすぎました」
ギルドの職員が、依頼の紙を持ったチェレンチィに説明する。
幻想の端、広大な森へ身を潜めた、名の売れていない山賊の捕縛依頼。捕縛といっても、首さえ持ち帰れば殺しても良い。
山賊は人数も少なく、一般市民だけを相手にする弱小者ばかりであった為に、通常の八人編成で行われる依頼へは発展せず、その場へ居合わせたチェレンチィのみへ依頼された、ちょっと特殊な依頼だ。
「良いですよ。でも、山賊たちの命には期待しないで下さいね」
前金を受け取ったチェレンチィは、ギルドの受け付けを背に、地図に記された幻想の森へと向かった。
まさか、そこに山賊以上の面倒事が向かっていることも知らずに……。