ギルドスレッド
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待ち惚けの館
渾身の攻撃は地面へ直撃し、砂煙が舞う。
攻撃が躱されたことにアルヴァは表情をやや歪めるが、それも束の間。軸足だった右足が足払いのように掬われ、バランスを崩したアルヴァの身体は右の肩からチェレンチィに倒れる――寸前の所だった。
「どこまでもやり辛いチビだ」
ふわりと浮いたアルヴァは、言葉通り”無重力状態”と呼ぶのが相応しくて。
腰部に潜めていたブリンクスターを素早く起動させたアルヴァは、チェレンチィから離した右腕を軽く地面に付き、勢いを殺す様に前へと退避した。
一瞬、狙撃銃を目で探したっぽいが、生憎それはチェレンチィを挟んだ向こう側だ。
攻撃が躱されたことにアルヴァは表情をやや歪めるが、それも束の間。軸足だった右足が足払いのように掬われ、バランスを崩したアルヴァの身体は右の肩からチェレンチィに倒れる――寸前の所だった。
「どこまでもやり辛いチビだ」
ふわりと浮いたアルヴァは、言葉通り”無重力状態”と呼ぶのが相応しくて。
腰部に潜めていたブリンクスターを素早く起動させたアルヴァは、チェレンチィから離した右腕を軽く地面に付き、勢いを殺す様に前へと退避した。
一瞬、狙撃銃を目で探したっぽいが、生憎それはチェレンチィを挟んだ向こう側だ。
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●山賊の捕縛依頼
ローレット・ギルドの依頼というのは、甚く不思議なものだ。
召喚されるまで、或いはギルドへ所属するまでは犯罪として定められ、破れば監獄島へ島流しされてしまうことさえ、時に依頼として舞い降り、ローレットの名のもとに公的な仕事になる。
「ええ、こちらの山賊たちの捕縛、首だけでも構いません。
この者たちはあまりにも、罪のない人々を殺して、奪いすぎました」
ギルドの職員が、依頼の紙を持ったチェレンチィに説明する。
幻想の端、広大な森へ身を潜めた、名の売れていない山賊の捕縛依頼。捕縛といっても、首さえ持ち帰れば殺しても良い。
山賊は人数も少なく、一般市民だけを相手にする弱小者ばかりであった為に、通常の八人編成で行われる依頼へは発展せず、その場へ居合わせたチェレンチィのみへ依頼された、ちょっと特殊な依頼だ。
「良いですよ。でも、山賊たちの命には期待しないで下さいね」
前金を受け取ったチェレンチィは、ギルドの受け付けを背に、地図に記された幻想の森へと向かった。
まさか、そこに山賊以上の面倒事が向かっていることも知らずに……。