ギルドスレッド
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待ち惚けの館
「……まあ、ボクの言葉を信じる根拠も道理もない、というのはその通りですよねぇ。
むしろ、素直に受け入れられる方がボクも信じられない。
ああいや、試していた訳ではないんです。ただ、貴方がどう返してくるか気になったもので」
(嘘は言っていない。というか、全て本音なのだ。
必要のない戦闘は好まない質だから、話で解決出来ればそれが一番いい。
ただ、交渉は苦手だし、状況が状況ゆえ1ミリも受け入れられないということは覚悟していた。
……銃が下げられないのなら、こちらもナイフを下げられない)
「……はあ、簡単な依頼だと思ったんですがねぇ……」
(これからどうしたものか、と考えながら、思わず溜め息を零して)
むしろ、素直に受け入れられる方がボクも信じられない。
ああいや、試していた訳ではないんです。ただ、貴方がどう返してくるか気になったもので」
(嘘は言っていない。というか、全て本音なのだ。
必要のない戦闘は好まない質だから、話で解決出来ればそれが一番いい。
ただ、交渉は苦手だし、状況が状況ゆえ1ミリも受け入れられないということは覚悟していた。
……銃が下げられないのなら、こちらもナイフを下げられない)
「……はあ、簡単な依頼だと思ったんですがねぇ……」
(これからどうしたものか、と考えながら、思わず溜め息を零して)
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●山賊の捕縛依頼
ローレット・ギルドの依頼というのは、甚く不思議なものだ。
召喚されるまで、或いはギルドへ所属するまでは犯罪として定められ、破れば監獄島へ島流しされてしまうことさえ、時に依頼として舞い降り、ローレットの名のもとに公的な仕事になる。
「ええ、こちらの山賊たちの捕縛、首だけでも構いません。
この者たちはあまりにも、罪のない人々を殺して、奪いすぎました」
ギルドの職員が、依頼の紙を持ったチェレンチィに説明する。
幻想の端、広大な森へ身を潜めた、名の売れていない山賊の捕縛依頼。捕縛といっても、首さえ持ち帰れば殺しても良い。
山賊は人数も少なく、一般市民だけを相手にする弱小者ばかりであった為に、通常の八人編成で行われる依頼へは発展せず、その場へ居合わせたチェレンチィのみへ依頼された、ちょっと特殊な依頼だ。
「良いですよ。でも、山賊たちの命には期待しないで下さいね」
前金を受け取ったチェレンチィは、ギルドの受け付けを背に、地図に記された幻想の森へと向かった。
まさか、そこに山賊以上の面倒事が向かっていることも知らずに……。