ギルドスレッド
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待ち惚けの館
倒した山賊の内、誰かの子供か……?
――そう考えていたのも束の間、向けた筈の銃口に臆さず肉薄されたことに目を見開いた。
子供だと思っていたそれは、思ったよりもずっと動きと反応速度が良い。
「てめ――っっ!」
流れるように繰り出されたコンバットナイフによる一閃、狙いは狙撃銃か。
そうは気付いても、片手で持った重量ある狙撃銃を咄嗟に打撃へ応用させることは敵わず、子供相手に発砲するつもりもなかったのか、安全装置を下ろしたままだった。
コンバットナイフと狙撃銃が衝突する、重くて鈍い音。かの塔の主へ特注したそれは、壊れることはなかったが、アルヴァの手から離れて宙を舞う。
「餓鬼が……」
が、それはワザと手から放したらしい。
既に姿勢を変えていたアルヴァは、肉薄してきた少年に向かって、後ろ回し蹴りを放った。
――そう考えていたのも束の間、向けた筈の銃口に臆さず肉薄されたことに目を見開いた。
子供だと思っていたそれは、思ったよりもずっと動きと反応速度が良い。
「てめ――っっ!」
流れるように繰り出されたコンバットナイフによる一閃、狙いは狙撃銃か。
そうは気付いても、片手で持った重量ある狙撃銃を咄嗟に打撃へ応用させることは敵わず、子供相手に発砲するつもりもなかったのか、安全装置を下ろしたままだった。
コンバットナイフと狙撃銃が衝突する、重くて鈍い音。かの塔の主へ特注したそれは、壊れることはなかったが、アルヴァの手から離れて宙を舞う。
「餓鬼が……」
が、それはワザと手から放したらしい。
既に姿勢を変えていたアルヴァは、肉薄してきた少年に向かって、後ろ回し蹴りを放った。
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●山賊の捕縛依頼
ローレット・ギルドの依頼というのは、甚く不思議なものだ。
召喚されるまで、或いはギルドへ所属するまでは犯罪として定められ、破れば監獄島へ島流しされてしまうことさえ、時に依頼として舞い降り、ローレットの名のもとに公的な仕事になる。
「ええ、こちらの山賊たちの捕縛、首だけでも構いません。
この者たちはあまりにも、罪のない人々を殺して、奪いすぎました」
ギルドの職員が、依頼の紙を持ったチェレンチィに説明する。
幻想の端、広大な森へ身を潜めた、名の売れていない山賊の捕縛依頼。捕縛といっても、首さえ持ち帰れば殺しても良い。
山賊は人数も少なく、一般市民だけを相手にする弱小者ばかりであった為に、通常の八人編成で行われる依頼へは発展せず、その場へ居合わせたチェレンチィのみへ依頼された、ちょっと特殊な依頼だ。
「良いですよ。でも、山賊たちの命には期待しないで下さいね」
前金を受け取ったチェレンチィは、ギルドの受け付けを背に、地図に記された幻想の森へと向かった。
まさか、そこに山賊以上の面倒事が向かっていることも知らずに……。