ギルドスレッド
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待ち惚けの館
「…………」
――ギロリ。
獲物を見る目というのは、正に彼のそれを言うのだろうか。
刹那、乾いた発砲音と共に、チェレンチィのすぐ傍にある樹木に風穴が開く。
「隠れるなら、もう少し上手くやるといい」
モード・スレイプニルを発動し、改造されたブリンクスターを吹かす。
少し離れていたが、仮にチェレンチィが逃げ出したとしても、追い付いて取り押さえる程度容易い――或いは、それが可能だという絶対的な自身があるのだろう。
パキッ、パキッ、と落ちた木の枝を踏み抜いて、ゆっくりチェレンチィが隠れているだろう物陰に近づいていった。
「先日商人から盗んだものを何処に隠したか、吐いてもらおうか」
――ギロリ。
獲物を見る目というのは、正に彼のそれを言うのだろうか。
刹那、乾いた発砲音と共に、チェレンチィのすぐ傍にある樹木に風穴が開く。
「隠れるなら、もう少し上手くやるといい」
モード・スレイプニルを発動し、改造されたブリンクスターを吹かす。
少し離れていたが、仮にチェレンチィが逃げ出したとしても、追い付いて取り押さえる程度容易い――或いは、それが可能だという絶対的な自身があるのだろう。
パキッ、パキッ、と落ちた木の枝を踏み抜いて、ゆっくりチェレンチィが隠れているだろう物陰に近づいていった。
「先日商人から盗んだものを何処に隠したか、吐いてもらおうか」
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●山賊の捕縛依頼
ローレット・ギルドの依頼というのは、甚く不思議なものだ。
召喚されるまで、或いはギルドへ所属するまでは犯罪として定められ、破れば監獄島へ島流しされてしまうことさえ、時に依頼として舞い降り、ローレットの名のもとに公的な仕事になる。
「ええ、こちらの山賊たちの捕縛、首だけでも構いません。
この者たちはあまりにも、罪のない人々を殺して、奪いすぎました」
ギルドの職員が、依頼の紙を持ったチェレンチィに説明する。
幻想の端、広大な森へ身を潜めた、名の売れていない山賊の捕縛依頼。捕縛といっても、首さえ持ち帰れば殺しても良い。
山賊は人数も少なく、一般市民だけを相手にする弱小者ばかりであった為に、通常の八人編成で行われる依頼へは発展せず、その場へ居合わせたチェレンチィのみへ依頼された、ちょっと特殊な依頼だ。
「良いですよ。でも、山賊たちの命には期待しないで下さいね」
前金を受け取ったチェレンチィは、ギルドの受け付けを背に、地図に記された幻想の森へと向かった。
まさか、そこに山賊以上の面倒事が向かっていることも知らずに……。