ギルドスレッド
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待ち惚けの館
(幻想のとある森の中。
ローレットにて依頼を受けた黒衣の人物が、気配を消し、音も立てずに少し開けた場所に現れる)
「(……山賊たちの拠点は、情報によればこの辺り)」
「(…………)」
「(……妙ですね。人数が少ないとはいえ、話し声も聞こえないとは)」
(そこまで考えたところで、若い男性の声と、何かの衝撃音が聞こえ、咄嗟に物陰に身を隠してそっと様子を伺い)
「(……あれは……仲間割れ? いえ、人相書きと一致しない。山賊は倒れているのが全員、ならあの狙撃銃の彼は……)」
「(……これは、横槍が入りましたかねぇ……)」
(もう少し詳しく様子を伺おうと、少し体勢を変え。その際にほんの少しだけ、ザリ、と足音を立ててしまう)
ローレットにて依頼を受けた黒衣の人物が、気配を消し、音も立てずに少し開けた場所に現れる)
「(……山賊たちの拠点は、情報によればこの辺り)」
「(…………)」
「(……妙ですね。人数が少ないとはいえ、話し声も聞こえないとは)」
(そこまで考えたところで、若い男性の声と、何かの衝撃音が聞こえ、咄嗟に物陰に身を隠してそっと様子を伺い)
「(……あれは……仲間割れ? いえ、人相書きと一致しない。山賊は倒れているのが全員、ならあの狙撃銃の彼は……)」
「(……これは、横槍が入りましたかねぇ……)」
(もう少し詳しく様子を伺おうと、少し体勢を変え。その際にほんの少しだけ、ザリ、と足音を立ててしまう)
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●山賊の捕縛依頼
ローレット・ギルドの依頼というのは、甚く不思議なものだ。
召喚されるまで、或いはギルドへ所属するまでは犯罪として定められ、破れば監獄島へ島流しされてしまうことさえ、時に依頼として舞い降り、ローレットの名のもとに公的な仕事になる。
「ええ、こちらの山賊たちの捕縛、首だけでも構いません。
この者たちはあまりにも、罪のない人々を殺して、奪いすぎました」
ギルドの職員が、依頼の紙を持ったチェレンチィに説明する。
幻想の端、広大な森へ身を潜めた、名の売れていない山賊の捕縛依頼。捕縛といっても、首さえ持ち帰れば殺しても良い。
山賊は人数も少なく、一般市民だけを相手にする弱小者ばかりであった為に、通常の八人編成で行われる依頼へは発展せず、その場へ居合わせたチェレンチィのみへ依頼された、ちょっと特殊な依頼だ。
「良いですよ。でも、山賊たちの命には期待しないで下さいね」
前金を受け取ったチェレンチィは、ギルドの受け付けを背に、地図に記された幻想の森へと向かった。
まさか、そこに山賊以上の面倒事が向かっていることも知らずに……。