ギルドスレッド
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待ち惚けの館
「命が惜しけりゃ、金目の物は全部置いて、さっさと失せろ」
その言葉は、とある幻想の森、小さな山賊の拠点で発せられた。
情け容赦なく、山賊の男の肩を踏みつけた黒ずくめの男は、右手に持った狙撃銃の銃口を山賊の男の首元に突き付け、銃爪に指を置きながらそう脅す。
周りには既に数名の山賊が倒れており、肩を撃ち抜かれ血を流している者もいれば、頭をしこたま殴られたのか、泡を吹いて気絶している者もいた。
「聞こえなかったか? 金目の物は全部置いて、さっさと失せろと言っている」
銃口を更に強く突き付ける。
食い込む程、喉に刺さったそれに苦しそうにしながら、首を横に振った。
黒ずくめの男はそれを見るなり、重い狙撃銃で脳天に強烈な一撃を放つ。
「てめぇらが他にも隠してんのは――って、気絶してるし」
またやってしまった。手加減しつつ、尋問するというのは加減が難しい。
命が惜しけりゃ……なんて言っておきながら、はなから殺す気は無かった黒ずくめの男は、困ったようにため息を吐きながら、辺りを見回した。
既に、意識のある山賊は一人もいない。
その言葉は、とある幻想の森、小さな山賊の拠点で発せられた。
情け容赦なく、山賊の男の肩を踏みつけた黒ずくめの男は、右手に持った狙撃銃の銃口を山賊の男の首元に突き付け、銃爪に指を置きながらそう脅す。
周りには既に数名の山賊が倒れており、肩を撃ち抜かれ血を流している者もいれば、頭をしこたま殴られたのか、泡を吹いて気絶している者もいた。
「聞こえなかったか? 金目の物は全部置いて、さっさと失せろと言っている」
銃口を更に強く突き付ける。
食い込む程、喉に刺さったそれに苦しそうにしながら、首を横に振った。
黒ずくめの男はそれを見るなり、重い狙撃銃で脳天に強烈な一撃を放つ。
「てめぇらが他にも隠してんのは――って、気絶してるし」
またやってしまった。手加減しつつ、尋問するというのは加減が難しい。
命が惜しけりゃ……なんて言っておきながら、はなから殺す気は無かった黒ずくめの男は、困ったようにため息を吐きながら、辺りを見回した。
既に、意識のある山賊は一人もいない。
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●山賊の捕縛依頼
ローレット・ギルドの依頼というのは、甚く不思議なものだ。
召喚されるまで、或いはギルドへ所属するまでは犯罪として定められ、破れば監獄島へ島流しされてしまうことさえ、時に依頼として舞い降り、ローレットの名のもとに公的な仕事になる。
「ええ、こちらの山賊たちの捕縛、首だけでも構いません。
この者たちはあまりにも、罪のない人々を殺して、奪いすぎました」
ギルドの職員が、依頼の紙を持ったチェレンチィに説明する。
幻想の端、広大な森へ身を潜めた、名の売れていない山賊の捕縛依頼。捕縛といっても、首さえ持ち帰れば殺しても良い。
山賊は人数も少なく、一般市民だけを相手にする弱小者ばかりであった為に、通常の八人編成で行われる依頼へは発展せず、その場へ居合わせたチェレンチィのみへ依頼された、ちょっと特殊な依頼だ。
「良いですよ。でも、山賊たちの命には期待しないで下さいね」
前金を受け取ったチェレンチィは、ギルドの受け付けを背に、地図に記された幻想の森へと向かった。
まさか、そこに山賊以上の面倒事が向かっていることも知らずに……。