PandoraPartyProject

ギルドスレッド

待ち惚けの館

【来客RP】ヴィーグリーズの後に

ヴィーグリーズ会戦が終わった後の話。
暫く屋敷を空けていたわんこは久々に帰ってきて療養していた。
怪我の具合も中々だが、それよりも――

▽来訪者
・有栖川 卯月

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(静かなリビングルーム、少しだけ埃の積もったそこに彼はいた。
 幻想の奴隷騒動から発展に発展を重ねたヴィーグリーズ会戦からというもの、まだ何も出来ていない。きっと、何かする気力も沸かなかったのだろう……)

…………。
傷くらい、自分で処置しておかないとな。
(豊穣で大怪我した時に同居人が処置してくれたことを思い出す。
 またお世話になる訳にはいかないと、救急箱を持ってきてダラダラ治療を始めた)
こんにちはー!アルくんいますか?(こんこんと扉を叩くと明るい声で呼びかけ)
ん……? ああ、この前の――鍵開いてるぞ?
(傷の処置をしながら、手が空いてないから勝手に入ってくれと声をかけつつ)
こんにちは!遊びに……ってえええ!!??
まってまって、大丈夫なのそれ??
何があったの!?(ガチャっと扉を開けると治療をしているアルヴァを見て驚き駆け寄る)
少し前に幻想で色々あっただろう?
俺もそっちに居たもんだから、ちと怪我してな。
(日常茶飯事ではあるが、と言いながら隻腕で巻きにくそうに腹部に包帯を巻いている。隻腕の方もまだ包帯ぐるぐる巻きなので、一見はそちらの方が重症には見えるかもしれない)
あーえっとなんだっけヴェ何とか会戦……?えっまずこれあってる?

私ずっとROOにいたからなぁ……お疲れ様……いやほんとにやばくない??えっ包帯やった方がいいかな、(酷く動揺しているようで近くでアワアワと)
ヴィーグリーズ会戦って言われてるな。

んな動揺することでも無いぞ。
ローレットで依頼を受けている以上、怪我は付き物だし。
(包帯を巻き終えて、服で患部を隠した。
 椅子には彼がいつも着ているジャケットがかけてあるが、血や泥でだいぶ汚れている)
それそれ!

それはそうだけどさぁ、なんかこう、ROOと違ってすぐに治せるものでもないでしょ、普通に知ってる人が怪我してるの心配になる……(ジャケットをちらっと見ると少し悲しげなような悔しそうな表情をして)
とはいえ、一般人でいう大怪我程度なら一週間もあれば完治する。
それこそ骨折とかそういうレベルの話だが、イレギュラーズであれば身体の強さとパンドラの恩恵も相まってそうそう死んだりしない。怪我しないに越したことは無いけどな。
(右腕は生えてこなかったけど――とは言わなかったが、半ばそういうことだろう)

…………。
まあ、あくまで”体”の怪我に限っての話だが――
それこそそれはそれ、これはこれじゃない?
私たちイレギュラーズとは言え、死ぬ時は死ぬんだよ、流行病に侵されることもあるし、眠り覚めないこともある
何があるかは分からないんだから。

……?なにかあったの?話したくなければ話さなくともいいけれど(心配そうな顔でアルヴァの近くに座り)
気を付けてはいるさ、死ぬのは……まだ御免だ。
(その一瞬の間が何だったのかは分からない)

……何もない、と言えば大嘘になるな。
だが、分かるように説明するのが……今は難しい。
(難しそうな表情になって、表情を少し歪めて)
なら、まだいいかなぁ。アルくんとはまだ全然仲良くなれてないからもっと仲良くなりたいの。
(一瞬の間を気にしないようにほほえみ)

そっかぁ……なら説明したい、出来るようになってからでいいよ。しなくてもいいし、そこら辺はアルくんに任せる。
(それよりも手をかりていい?と片手を出して)
ああ、きっとすぐにいなくなったりはしないさ。
ここに来りゃ、居ると思う(多分な、と付け加えながら)

ん……?
(無い左手は貸せないので、右手を卯月の前に出して)
ん、約束だからねー
いなかったら探しに行くのと帰りを待たれるのどっちがいい?

ありがと、お疲れだろうからハンドマッサージしてあげる(どこからかハンドクリームを出し、手でくるくると温めると両手でアルヴァの手を握り、マッサージをしようと)
そん時はとりあえずローレットの名簿を確認してくれ。
……ただ単に、依頼で長期間出かけてるだけかもしれないからな(冷静に言って)

そんな気を遣わなくても、何も出ねぇぜ?
(言いつつ別に抵抗したりはせず、掌にはマメが沢山できている)
あーそれが一番手っ取り早いね。
おけおけ。そうすることにする。

んー、私がやりたいだけだからいーの。本当にストレス軽減とかならハグでもいいんだけど、そーゆー関係でも無さそうだし、子供扱いイヤって言ってたからさー。というかほんとに頑張った人の手してるねぇ。(もみもみぎゅっぎゅとハンドマッサージをアルヴァにして)
…………。
今まで両手で扱っていた得物を片手で扱わなくちゃいけなくなったからな、これくらいは当たり前だろ。
だいいち、依頼を受けてこれっぽっちもストレスを感じない奴とか、傷が残らない奴は居ねぇさ。
(大袈裟な言い方だが、自分だけが酷い目にあっていると思うのは違うと思っているらしい)
ふふっ。そうだねぇ。でも凄いことだよ。そこで辞める人もいる訳だからさ。(やっと隻腕に、ついてふれてくれたなぁとしみじみ)

依頼にストレス、それはそうだ。でもねぇ、ストレスのかかり具合は違うでしょう。全く知らない人を殺すのと、知ってる人。例えば家族や恋人、ペットなんかを殺すのとでは、明確に違うよ。

ROOだとそれでよく悲鳴をあげてる人がいるし、何より、私は顛末とか合ってるのかとかよく知らないけど、アルくんがしんどかったんでしょ。
ならそれは癒せるとは思ってないけどリラックスのお手伝いが出来ればいいなって(はい終わり、と右手を両手で挟み、お疲れ様と手の甲を撫で)
………………家族、か。
(何故か顔色が少し変わり表情も固まる。その後、言葉に困ったように黙ってしまって)
ん?あぁ、なるほど。そこかぁ。
私はこっちに家族と呼べる人は来てないからアレだけど、私がそうだったら多分泣いて哭いて暴れるだろうな。
愛された記憶があるからなおなら。アルくんの何がわかる訳では無いけどね
(目を伏せ、労わるように、落ち着かせるように手の甲を撫で続ける)
…………。
…………。
まあ、どの道ローレットの報告書を見に行きゃわかるし、良いか。
(撫でられて、暫く悩んで、話す決心を決めたみたいで――)

……召喚される少し前から家族の記憶は何も無くてな?
居るかすら分からない家族のことなんて気にも留めちゃいなかったんだが。
けど……この前姉を名乗る人物に会ったんだ。
報告書、あんま読むの好きじゃないんだよねぇ。必要書類しか見ないや。

……うん、うん、そうなんだ。記憶がなくとも生きていけるとものね。
続けて大丈夫だよ(アルヴァの目をしっかり見て話を聞く)
…………。
俺と同じ耳と尻尾でさ、俺と同じ顔立ちをしてて――紛れもなく姉だって思ったよ。
(だんだん表情が曇っていって、次第に俯いて目を合わせなくなり)

でも……姉さんは、俺が見つけた頃には既に魔種だったんだ。
両親がローレットに惨たらしく殺されたって、死ぬほどローレットを恨んでた。
それで、それで……………――――
(いつの間に目には涙が溜まっていた。俯いてそれを隠して、でも声が震えるのは隠せなくて)
うん、うん。……そうなんだね(頷きながら)

……っ!ごめんね嫌だったら振り払って(アルヴァに近づくと俯いている彼を抱きしめ)

あのね、私にはアルくんの気持ち、わかんないよ。さっきも言ったけど私は家族の記憶もあるし、こっちには来てないから。

でも、でもね。ローレット(私たち)がやらなきゃだったとしても。君が傷ついたのは事実で、私たちはそれを望んだ。君がお姉さんを君の手で終わらせようとした。君が許されないことをしたと思っていたとしたら、私達もきっと許されないよ。

ごめん、ぐちゃぐちゃだ。もっと、気の利いた事行ければいいのだけれど。
…………。
…………。
(振り払いはしなかったが、何か言ったりすることもなかった)

姉さんは、俺が殺した。
それが俺に出来る、唯一の罪滅ぼしだったから……でも。
(どこか絶望するような、そんな表情を見せて)

――ローレットは両親が死んでないって言うんだ。
なら姉さんが聞いた間違った情報は何だったのか、何で姉さんがああなっちまう必要があったのか、何で俺が姉さんを殺る必要があったのか……。
(それはもう、恨めしそうな音色だった)
うん、そうなんだね。そっか。(抱きしめながらうん、うんと聞き)

…………!?それは…………。
考えられることは色々ある、けど。どうだろ。
私がパッと浮かぶのはお姉さんが魔種に唆されたこと。ミスリードになっちゃうかもだけど、魔種が堕とす為に嘘をついた。とか。

どちらにせよ。アルくんが落ち着くまで情報を探したりするのはやめた方がいいかもね。それか1人で探さないことかなぁ(今のままだとアルくんまで墜ちちゃいそう、と抱きしめたまま、背中をさする)
…………。
…………。
(彼は何も言わなかった。色んな可能性があるにせよ、事実が変わることが無いから)

――ああ、大丈夫、きっと。
(もう何も、自分には失うものが無いから……)
……。アルくんがそう言うならいまはそれでいーよ。(最後に背中をぽんぽんと優しく叩くと離れて)

ごめんねぇ。ちょっと感情的になっちゃった。
それはそうと、アルくん。1個約束しない?
ああ、俺も少し感情的になった――すまん。
……約束?
(少し顔を上げて、それでも少し俯いたまま目線だけ卯月の方を向けて)
んーん、平気だよぉ。というかアルくんがそういうのはおかしくない?(クスクスっと笑って)

そーそー。約束!あのね
『もし私がROO関係で死んだらお墓に花を添えて欲しい』の
いまのとこ死ぬ予定は無いけど、なーんかROOがやばい感じでねぇ……ROOがめでたしで終わるか、私が死ぬその時までは生きてて欲しい
…………。
…………。
…………。
(言われた事を理解する時間、考える時間、それと溜息)

悪いね、それは他を当たってくれ。
まずひとつ、そうなった時に俺が必ずしも生きている保証がどこにもない。ふたつ、死ぬ予定はないと言いつつ約束が矛盾してる。みっつ、もし約束をしてアンタが本当に死んだら、俺はアンタを死ぬほど恨む。
(一瞬卯月を睨むような形相になったのは気のせいではない。少なくともそれは、アルヴァにとって愉快に感じるそれでは無いらしい)
……あは、だよねぇ。

まぁ、これは保険みたいなもんだよぉ
なにもなければ約束なんてしなくていいし、忘れてもいいの
ただなんかあった時にうさてゃんがそんなこと言ってたなぁって思ってくれればそれでいーの

あとはそうだな、アルくんもなんだけど、恨まれてもいいから先に死んで欲しくないんだよねぇ
だから約束、というかお願い?
そんな感じ!
悪いね、俺は義理堅くない。
出来ない約束は破るし、嘘でも首を縦に振るつもりも無いさ。
(卯月の方を見て、きっぱりそう言い捨てた)

俺の姉もそうだったが――少しは生きて残された奴のことを考えてくれ。

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