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『カドー・デュ・ソレイユ』
「……相変わらずでごぜーますね、レオンは」
「……相変わらずでごぜーますね、レオンは」
───なんだよオマエ、そんな事もしらねーのかよ───
───だったら、俺が教えてやるよ、感謝しろよな!───
そう、子供の時から、初めて出会ったあの時から、ずっと。
「……オマエ、その顔やめろよな」
ざんげはレオンを見る。年月を経て、少年の頃から硬く、逞しくなったその顔に、あの頃と同じように、はっきりと表情が浮かぶ。
「……なんでそんなに不満そーな顔してるんです?」
「今俺のガキの頃思い出してたろ、オマエさぁ、もう俺はオッサンなのに「あの頃のレオンちゃんは可愛かったわねー」みたいに近所のオバちゃんと人をダシにして思い出話咲かせられてるような顔されてさぁ、俺嬉しいと思う?」
「例えがよくわからねーですが、レオンが嬉しいかどうかは私にとって何もかんけーねーと思うです」
「……言うようになったじゃんオマエ」
この男は本当に相変わらずだ。他人をからかう割には、意外と、こちらから反撃すると、あっさりと折れる。
「あーヤダヤダ、不貞寝しよ」
「膝、いるです?」
「いらねぇよ」
ごろりと今度は背を向けて、大の大人が草のカーペットに身を横たえる。鍛え上げられた広い背中に不釣り合いな拗ねた態度に、神託の少女は意識せずにその頬をわずかに緩めた。
この男は、少年の頃から確かに変わった。だが、本当のところは、きっと、ずっとあの頃のままなのだ。
今はもう上から見下ろしてくるその背丈が、こちらから見下ろせたあの小さな体で、不釣り合いな大きな夢を語って居た頃と。
「……相変わらずでごぜーますね、レオンは」
───なんだよオマエ、そんな事もしらねーのかよ───
───だったら、俺が教えてやるよ、感謝しろよな!───
そう、子供の時から、初めて出会ったあの時から、ずっと。
「……オマエ、その顔やめろよな」
ざんげはレオンを見る。年月を経て、少年の頃から硬く、逞しくなったその顔に、あの頃と同じように、はっきりと表情が浮かぶ。
「……なんでそんなに不満そーな顔してるんです?」
「今俺のガキの頃思い出してたろ、オマエさぁ、もう俺はオッサンなのに「あの頃のレオンちゃんは可愛かったわねー」みたいに近所のオバちゃんと人をダシにして思い出話咲かせられてるような顔されてさぁ、俺嬉しいと思う?」
「例えがよくわからねーですが、レオンが嬉しいかどうかは私にとって何もかんけーねーと思うです」
「……言うようになったじゃんオマエ」
この男は本当に相変わらずだ。他人をからかう割には、意外と、こちらから反撃すると、あっさりと折れる。
「あーヤダヤダ、不貞寝しよ」
「膝、いるです?」
「いらねぇよ」
ごろりと今度は背を向けて、大の大人が草のカーペットに身を横たえる。鍛え上げられた広い背中に不釣り合いな拗ねた態度に、神託の少女は意識せずにその頬をわずかに緩めた。
この男は、少年の頃から確かに変わった。だが、本当のところは、きっと、ずっとあの頃のままなのだ。
今はもう上から見下ろしてくるその背丈が、こちらから見下ろせたあの小さな体で、不釣り合いな大きな夢を語って居た頃と。
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