であります。

相変わらずこの集まりの意義はわからない。
我らは所詮別個の集団でしかない。
……敢えて言うならば、武人としての心が騒めくくらい。
それも軍人としては邪魔であるし。

はて。
ではなぜ、私はまたもこうして轡を並べているのだろう？

●訓練
【３】
陣形訓練を主に行う。
と言っても新兵に複雑な行動は求めない。
行けと言えば行き、止まれと言えば止まる。それで良い。
大事なのは精度ではなく、忠実さ。
勇者は要らない。
前に進める臆病者でいい。
ひたすらの行軍。
目的地で陣地展開、配置転換、撤収をひたすら繰り返す。
戦闘訓練は一つも行わない。
何か一つでも足を動かさず戯言を言ってくる者が居れば言えなくなるまで走らせる。
逃げ出す者が居れば好きにさせる。

歩兵とは、市街地を占領できるただ一つの兵科。
喜べ、貴様らの命は平等に軽い。
だが、貴様らが戦争の勝利条件だ。

●実践
主目的は敵の包囲を破る事。
フロールリジ騎士団は堅牢な防御と機動力に勝る。
ストラテジーで味方の動きから敵の進路を予測し受け止める。

さて、新兵諸君。
死ぬ思いをして敵を受け止めた気分はどうだ？
華々しいいくさぶりなどどこにもないが、何。
すぐ慣れるさ。