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未来超仰天実験室

four of a kind

●あらすじ
キミ達はそれぞれの理由でローレットを訪れた。
キミ達はそれぞれの事情で時間を持て余している。
キミ達はそれぞれの思惑でもってカード遊びに興じるだろう。

●今回のカードの特徴
それは高価そうに見える。
それは色付き硝子のように薄く透通っているが、裏の模様を見透かせない。
それは『語り手』の敗北を検知すると曇ってしまう。
それは『聞き手』の敗北を検知すると淡く輝く。
それは誰かが勝利すると、全てのカードが勝者の手元で束になる。

●ルールへのリンク
https://rev1.reversion.jp/guild/818/thread/14878

●特別ルール:カード指定
自PCが引くカードを、乱数に頼らずPL自ら指定してよい。
これは各PLごとにゲーム中1回まで使用できる。

→詳細検索
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初詣……願掛けに出かけた、数年前の今頃の事だ。
肌を刺すような、冷たい風が吹き抜ける日だった。

それは、異常だった。
それは、狂気だった。
それ以上に……それは突然だった。

俺の、目の前で。
一人の学生の首が落ちた。
落ちた首が転がって、残った身体の断面から、血が、ずっと流れてた。

情けないことに、俺は、動けなかった。
身体が、ガタガタと震えていて、歯が、ガチガチと鳴って。
寒さのせい?……そんなわけがない。
だって、『俺』が、人の死を見るのは、それが初めてで。
どうしたらいいのかなんて、わからなくなって。

そして気づけば、そこに女が立っていた。

見た目は、そうだな、百合子や、朋子とそう変わらないくらいの、若い女。
そいつが、身の丈以上の大きな鋏を持って、俺を見た。
刃先は黒かったけれど……それでも、何かでてらてらと濡れているのが分かった。
間違いなく、何か、水気のあるものを切ったあとだった。
そして、今ここで、液体を垂れ流していた者と言えば。
ああ。ああ。……そいつと、目が、合った。

次の獲物は、間違いなく、俺だと言っていた。



勿論、逃げたさ。逃げて、生き延びようと思った。
そこで冷たく転がって死んでいた、名前も知らぬ誰かのようになりたくなんて無かった。

でも、その時の俺には……百合子。
君のような、武術の才も、名だたる美少女のような、選ばれた血筋も無かった。

だから、捕まってしまえば、転んでしまえば、追い付かれて、鋏を向けられてしまえば。
そこで、おしまいだ。

鉄の冷たさが食い込むのと引き換えに、俺の咽頭からは、生暖かい液体が流れ落ちていく。
口の中に、塩気のある、嫌な味が広がって、叫ぼうにも、喉が裂かれちゃ声も出なくって。

やがて、鋏が閉じた。
それと同時に、俺の首も切り落とされて。
……それで、終わる、筈だった。

でもさ、俺は、それでも、死にたくなかった。
殺されてる最中なのに。こうなったら、助かる道筋なんて無いだろうに。
それでも、死にたくないと、まだ生きたいと、願ってしまった。

だって、そうだろう。こんな終わり、納得できないよ。
でも、俺の意志と反して、視界は暗くなって、俺を嘲笑の声音も遠のいて……。

でも、その時に、『声』が聞こえた。
俺を殺した女じゃない。……男の、声だった。

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