PandoraPartyProject

ギルドスレッド

星詠みの塔

【雑談・RP】共同ホール【低層・居住区】

居住区の入り口付近にある共同スペース。
塔に足を踏み入れれば、まずこの空間に出るだろう。

大きめのダイニングテーブルに椅子、いわゆるホールである。
簡易な調理場もついている。

奥に続く廊下は、各々の私室に繋がっている。

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(周りに警戒しながら、入口のドアを開く)
あの、すみません。
どなたか、いらっしゃいますか?
(中を見渡し、元雇い主やその仲間が居ないかを確認する)
(塔の主は、椅子に座って研究の息抜きをしているところだった。
 普段は自分一人。静かなホールに扉の開く音と、細い少女の声)

……ん? お前は……、以前雑貨屋で見たな。
なんだ、迷子か?
(目を向ければ、同じ幻想種と思しき儚げな印象の少女が扉からこちらを覗っていた。
 その姿は、先日星図を売り込みに行った雑貨屋で、ちらと目にしたものだ。)
あ、えっと。こんにちは。
(どこかで見たことのある顔に、少し安堵する)
歩いていたら来た道が分からなくなってしまって。
人が居てよかったです。
あの、その。
ローレットまでの道を教えていただけませんか?
ああ、こんにちは。今日もいい天気だな。
(枠にはまった挨拶を返して、座ったまま紅茶をすする。
 部屋には休憩時の間食、紅茶と焼き菓子の香りが満ちていた)

ローレット?
(と、その言葉を聴いて眉をしかめる)
……遠いぞ。一番近い人里までは一日だが、そこにローレットの常設受付は無い。
というか、どこから来た?
ローレットのある場所から一人でここまで迷い歩いてきたのか?
(見るからに頼り無さそうな少女の体格を見て、そんなことが可能だろうかと怪訝そうな瞳を向ける)
えっと、何だか、こ、怖そうな人が居たので。
逃げてたんですけど、ずっと追いかけて来るような気がして。
怖くてどこを歩いて来たのか自分でも分からないんです。

ローレットそんなに遠いですか。(少し悩んだ感じで)
あ、あの。すみません。
少し休憩させてもらってもいいですか?
逃げてきた……?
(不穏な単語に今度こそ渋面を作り)
……なるほど。つまり、訳アリということか。

………………。(考え込むような間があって)
……まあいいか。座れ。
お前を追いかけているかもしれない奴がいるとして、
わざわざこんな森の奥まで来ないだろうさ。
(と正面の椅子を示し、自分は客人のコップを取りに備え付けの台所へ)

ああ、念のため扉は閉めておいてくれ。鍵もな。
(塔の扉には、この世界ではありふれた鍵が付いている。
 一般的な純種であれば、問題なく扱い方がわかるだろう)
(言われるまま中に入り、鍵をガチャリと閉める)
お邪魔します。
(指示された椅子にちょこんと座る。少し緊張している)
(カップに湯気の立つ紅茶を注いで、客人の前に出す。ついでに、色とりどりの星のような形をした砂糖菓子の皿も、客人の手が届く範囲に)
ようこそ、星詠みの塔へ。

……さっき、追われているとか言っていたが。
ありがとうございます。
(紅茶を取り、ふうと少し冷ましてから飲む)
いい香りですね。紅茶はあまり飲んだことが無いので新鮮です。

あ、えっと。・・・はい。
追われているというか、その。
(少し言い難そうに。ひとつ深呼吸して、ゆっくりと喋り出す)
元々奴隷だったんです。
小さい頃に奴隷商人に捕まって、御主人さ・・・元雇い主に買われて。

召喚されて逃げ出せたんですけど。
でも、ずっと追われてる様な気がして、怖くて。
ここに来る前に、元雇い主の小間使いの人を見た気がして。
見かけた時には、私そこから走ってしまったので、顔も確認してないんですが。
怖くて、泣きながら、走って。ここに着いたんです。
(手が小刻みに震える。呼吸が少し浅くなる)
(少女が口にした言葉に眉を顰める)
奴隷、か。まあ、そういう風習がある地域も……あるのだろうな。
(苦々し気に)

召喚? ではお前も特異運命座標か。それなら……
(それならば、その雇い主とかいう人間も簡単には手出しできなくなるだろう、と言いかけて。少女が震えているのに気づく)
……おい、落ち着け。
本当にそいつが元雇い主の小間使いだったかはわからないんだろう?
少なくとも、最寄りの人里には奴隷を持っている奴などいない。
こんな田舎で辺境の森の奥まで探しに来ているかも怪しいし……、あー、まあ、なんだ。

(すい、と砂糖菓子の皿を少女の目の前まで押し出す)
ここは安全だ。甘いものでも食え。
(怖さと、ギルバートの優しさに。ぽたぽたとこぼれる涙。声は出さない。声を上げて泣く事はそれだけで怒られる経験があるから)
ごめ、んなさ、い。・・・怖くて、震えて、しまっ、て。
元雇い主の小間使いだったか、は分か、りま、せん。
(止めようにも、勝手に身体が震えてしまう。ぎゅっとスカートを握りしめ)

(安全という言葉と、砂糖菓子の皿を差し出され、震える手で一粒口の中に)
あ、ありがとうございます。・・・甘い、です。
(ゴシゴシと涙を手で擦り、ぎこちない微笑みを向けて)
いや、謝る事は無い。吐き出して落ち着くなら、吐き出せばいいだろう。
(必死に泣く事、震える事を抑えつけようとしている様子を見て)
お前が特異運命座標なら、その元主人も簡単には手出しできなくなるだろうしな。

(と、砂糖菓子を口にした少女が僅かに笑みを浮かべた事に、内心で安心しながら)
美味いだろう? 旅人由来の菓子で、コンペートーと言うらしい。
見た目も星に似ているから気に入っている。
ああ、そんな風に涙を拭いたらぐしゃぐしゃになるだろう。
(慌てて、台所の吊戸棚から清潔なハンドタオルを取り出してきて)
ほら、好きに使うと良い。

……そういえば、名前を聞いていなかったな。
俺はギルバート・グレイグラス。この塔に住んでいる。お前は?
(タオルを差し出しながら)
私は、ティミ・リリナールです。
タオルありがとうございます。
(タオルを受け取り、しばらく顔をうずめる)

コンペートーって甘くておいしくて可愛いですね。
ギルバートさんもコンペートーが好きなんですね。私もこのお菓子が好きになりました。
ありがとうございます。
(顔を上げる。目は兎の様に赤いが涙は止まっている)

そういえば、さっき特異運命座標なら手出しできなくなるって言ってました。
でも、見つかったら鞭打ちされて、今度こそ、他の子みたいに死んでしまうかも。
御主人様はとても怖いんです。
それでも、大丈夫ですか?
(怖がるような期待するような。縋るような目)
リリナールか。
ふむ……、(捨てられて仔犬のような瞳で問われ、慎重に言葉を選ぶ)
まず、特異運命座標は"滅びの予言"を回避するための唯一の可能性……
いわば、世界を救うことができる者な訳だ。
従って、ギルド条約によって、ローレットのみならず各国においても配慮と便宜が図られることになっている。程度の差はあろうがな。
この混沌の踏破領域のどこでも通用し、尊重される強い地位を我々は手に入れた。

お前の"元"主人。(元、という言葉を強調するように)
そいつが、どんな地位を持っているのかにもよるが……
単なる奴隷の収集癖がある富豪程度なら、
特異運命座標である事を主張すれば行政もお前に味方するのではないか?
(理詰めで淡々と。とても、子供にわかりやすい説明とは言えない)
えと、えっと。(難しい単語が並んでいる言葉を追うけれど。途中から分からなくなってきた様子)
見つかっても、鞭打ちされない。って事ですか?
(人生の半分を虐げられて、支配されてきた子供の思考は、それをすんなりと受け入れる事が出来ない様子だった。疑っている訳ではなく、「信じる事」が出来ない。幾度と裏切られて来たから)
………………そうだな。(色々考えた結果、最大限まで言葉をほぐして)

お前の元主人がよっぽどの偉い人でない限り、大丈夫だろう。
俺はそいつの事を知っているわけではないから、絶対とは言えないが。
そう、ですか。
・・・よかった。(心底、安堵したように。息をはいた)

どれぐらいの地位にあったのかは分かりません。
そんなに都会では無い地方の貴族でした。
私以外にもたくさん子供の奴隷を買っていましたが、大人になる前に皆死んでしまいました。
召喚された時、私も背中にたくさん鞭を打たれていて、動く事が出来なかったんです。
まだ、背中は治ってなくて、痛いです。
手枷や足枷の痕も消えないです。
その召喚された時に、傷の応急処置をしてくれてマントを掛けてくれた人を探しています。
マジックギルド【梟の瞳】に居たのも、あのお店の店長さんなら
詳しそうなので、マントがどこで売っているものか分かるかなと思ったからなんです。
そうか……、そうか。辛かったな。
(壮絶なリリナールの境遇に、言葉も無かった。
自分にはその苦しみを想像することしかできない。)

他にもそんな扱いを受けている子供がいるのは許し難いが、とにかくお前だけでも逃げられて良かった。
傷も、枷の跡も、時間が経てば消える。
気にするなとは言わないが、縛られるなよ。

(続くマントと探し人の話に眉をあげる)
ほう、恩人か。それは是非とも探したいな。
そのマントと言うのはどんな代物だ?
はい。ありがとうございます。
縛られないように頑張ります。
ギルバートさんみたいに優しい人たちも多いって知りました。だから、大丈夫です。
(少し微笑んで)

マントはこれです。
(荷物の中から取り出したベージュのマント。誰が持っていても不思議ではない、一般的な作りをしている)
あの後、店長さんに見てもらったのですが、分からない様でした。
ごく普通のありふれたものみたいです。
(ギルバートに差し出して)どうでしょうか。

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