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Deserted House

古寂れた居室

人通りもない寂れた通り。
元は住宅街だっただろう家々は古く、中でも一等朽ちた家が建つ。
ところどころ補修の跡があるその家は大きく、元は立派な屋敷だったことが窺える。
けれど、草木が伸び放題の庭に一部欠け落ちた壁、取手の外れた扉からは最早威容の一片も感じられないだろう。

人の気配は感じられず、物音も聞こえない。
扉は最早鍵もないのかプラプラと揺れている。

その奥に見えるのは居室だろうか。
古寂れた絨毯は虫食いで、置いて行かれたドレッサーに付いているのは割れた鏡。

人が寄りつくことは殆どないだろう。

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…………

(力なく受け取り、食事を食べ始める)

(ジェックの言葉を聞く。3年以上。そんな長い月日が既に経っていた)

……(匙ですくい、口に入れていく)

(混沌に召喚され、元々の信念が薄れるほどにたくさんの出会いを経験して。喪ったもの、取りこぼしたもの、望めなかったものをもう一度手が届いて)

………そうですね………
……でも、あの頃よりも………

(よりも、どうなったのだろうか。自分は、善くなったのか。悪くなったのか。はたまた、あの頃とは違うのか。言葉が次に紡げなくて)

……っ、ぐす…もぐ……ぐすっ……うぅ……

(口に入れていった食事からエネルギーを得る度に、少しずつ
枯れていた涙が、瞳からこぼれおちていった)

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