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旋律境界
……廃滅病、消えてるよな?
(随分しおらしい気もする。これなら先に「お詫びに撫でて!」とか言ってれば通ったかもしれない。損した。)
ま、気負いすぎてクォーツ院がどっかの教会みたいな巨大歯車ロボになってもダメだし。
(そう言いながら少年はなんかちょうどいい石の上に立てないか、挑んでいた。なにかこう、怒るなり、笑うなり、見れればいいのだが。)
まぁでも、よかったよ。リヴァイアサンには何人か飲まれちまったが、とりあえずシキちゃんもリアちゃんも無事だ――おあっ!?
(石の上にイイカンジに立てた次の瞬間にバランスを崩す。思ったより難しい。なんだこれ。)
(随分しおらしい気もする。これなら先に「お詫びに撫でて!」とか言ってれば通ったかもしれない。損した。)
ま、気負いすぎてクォーツ院がどっかの教会みたいな巨大歯車ロボになってもダメだし。
(そう言いながら少年はなんかちょうどいい石の上に立てないか、挑んでいた。なにかこう、怒るなり、笑うなり、見れればいいのだが。)
まぁでも、よかったよ。リヴァイアサンには何人か飲まれちまったが、とりあえずシキちゃんもリアちゃんも無事だ――おあっ!?
(石の上にイイカンジに立てた次の瞬間にバランスを崩す。思ったより難しい。なんだこれ。)
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視界に写る景色は見慣れた私室の天井……3週間ぶりに帰った我が家だ。
久しぶりに家族の旋律に包まれて深く眠ったからか、まだ頭はぼやけており、本能は睡眠を欲している。
だが、今日から送るのはいつも通りの日常。命を懸けた決戦は終幕を迎え、これから待っているのは変わりないリアの日々だ。
体を起こし、大きな欠伸と共に眠たげに目をこするが、ふとその手が止まる。
そのままベッドを降りて姿見の前に立ち、己の裸身を眺めれば、リアは改めて自分の変化を目の当たりにする。
体に刻まれた侵食する刻印の様な痣と、仄かに香る潮の香りが取り除かれている事を。
(思えば、あたしも随分女々しいものだったわね。)
最初は左程気に留めなかった廃滅病の進行であったが、痣が次第に大きくなり、日々廃滅病が自身の身体を蝕んでいくあの感覚。
朝、姿見でそれを確認する事が、自分の死期を悟らせるものであったという恐怖が、次第に自分を包み込んでいたのだ。
どんな息巻いて見せようとも、所詮自分はただの女に過ぎないのだと、改めて気付かされてしまった訳だ。
だが、冠位魔種アルバニアは倒され、リアを蝕んでいた廃滅病は最初から存在しなかったかのように消え去った。
そうなった今では、弱気になっていた自分がとても情けなくなってきて軽く自己嫌悪してしまう。
だが、もう全て終わった。これから始まるのはいつも通りの日常。
ちょっとでもサボれば口うるさいシスターに怒られ、忙しい自分の事などお構いなしに甘えてくるガキ共の相手をして、一日が終っていく。
いつも通りの、何の変哲もない……そして、最も尊い日々が再び始まるのだ。
深く、そして大きなため息をひとつついて気持ちを切り替え、修道服に袖を通す。いつもの日常を迎えるために。
着替えている途中で、そういえばと、ふと思い出す。
あの赤毛でお節介な少年は、またやってくるのだろうか、と。
今度はどのような顔で、どのような旋律を響かせ、ここに来るのだろうか、と。
前回は、リアの覚悟とちょっぴりの強がりのせいで、サンディと友人であるシキにはかなり心配を掛けてしまっていたという事を後程知った。
(あいつが来たら、ちゃんとその辺謝らないとなぁ)
リアは自分の選択と覚悟については間違っているとは思ってはいないが、その為に大切な友人を危険な目に遭わせたという事については死ぬほど反省している。
(……謝れっかな。いや、そもそも、謝る事か……?)
考えれば考える程、認めたい思いと認めたくない思いがごちゃごちゃしてくる。
そう、リア・クォーツは極めて面倒くさい女なのだ。
暫く悶々と思考した後、アーーーーー! っと頭を掻き、再び深いため息をひとつ。
「今、考えても仕方ねーわな。とりあえず、次会った時にでも考えっか……」
自分を落ち着かせるように独り言を零したら、着替え終った彼女は次にドレッサーの前に着席。
じっくり時間をかけて髪を梳かし、家事で荒れぬように化粧水を肌に馴染ませる。
よし終わり、と立ち上がる前にもう一度、深いため息を。
ベールをかぶり立ち上がると、自分の頬をパンッとかるーくひと張りして活を入れる。
細かく悩むのはさて置いて、まずはいつもの日常を!
なんか色々あったら、強く当たって後は流れで!
さあ、リア・クォーツの一日の始まりだ!
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このスレは、サンディ君とリアの個別RPスレッドとなります。
それ以外の方は、とりあえず発言をお控えください。
ただ、途中からでも参加したいなーって方がいらっしゃいましたら、手紙とか何かでお伝えいただければと思います。
では、よろしくお願いします。