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地獄に落ちたローグども

観光客のノート


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昏い夢の中で

その日夢を見た
打倒した彼女の夢を

メルカート・メイズ
彼女は暗闇の中に佇んでいる
膝を抱えて小さくうずくまって
嗚咽を漏らしながら泣いている

僕はすぐにこれが夢だということに気がつくだろう
なぜこのような夢を見ているのかはわからない
命を吸われた時、彼女の宝玉と繋がった残滓なのか
僕が彼女の狂気の影響を受けて悪夢を見る羽目になっているのか
もしくは僕の心が、メルカートという子供の虚像を映し出しているのか

だが、どれでもよかった
僕はただメルカートの隣に座る
恨み言をただ聞こう
お前には僕に対して何もかもをぶちまける権利がある
憎悪も嫉妬も悔しさも孤独も何もかも
僕はただ静かに聞いていよう

ありったけの感情の爆発の後には静けさが残るだろう
だから僕もぽつりぽつりと話そう
メルカートにとどめを刺す瞬間に初めて気づいたことを

僕も孤独だと思っていたよ
それは確かな事実だ

生まれてこの方、運命の大迷宮で長きにわたる時間を過ごしてきた
人を信じている人間ではないと自分では思っていた
協力して君を打倒したのはなんでなのか、それは彼女は使えるからだと
彼女の魔力撃はとても強力だから僕は多分君の心臓に撃ち込む銀の銃弾気分で彼女を利用しただけだったのさ

ただ、予想外だったのは君の宝玉の力だ
パンドラ全てを吸い取るなんて……いやあ、君の方もズルくなかったか、あれは
あの時僕は自分の完全なるヘマに気づいた
君の攻撃をすべて受けきったならば、たとえ君は倒せても僕の死は免れえない
ああ、失敗したな……なんてうすぼんやり考えていた
だけど、目が覚めたら迷宮の外の病院に運ばれていた

自分でなにを言ったか覚えているかい?
「そうやって助けてくれる人もいるなんて」、って言ったんだ
僕は気づきもしなかったんだ
この数年の内に、そんな者を得ていたなんてさ
彼女はただの銀の銃弾じゃなくてさ
互いに信頼を寄せ合うことが出来た人間同士だったんだって、初めて気づいたんだよ

それが、多分さ、大きな違いだったんだ
選ばれた、選ばれていないよりも大きな違い
君はずるいと言ったけど、でも言うべきだったのさ
誰かに助けてって
そう言っていればあんなことにはならなかった
僕は言ったよ、助けてくれてありがとうって
運命の大迷宮の中では言ったことのない言葉

おや、朝日が昇りそうだ
うん、夢の中なら何度でも会えるさ
観光客はいつでも君を「助けよう」。
……物語の中の観光客は、ちょいとは優しいやつだったろ?

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