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地獄に落ちたローグども

観光客のノート


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観光客流剣術奥義『盜火線』

物質を自己複製させる性質を持つ魔力が過充填された銃弾を薬室に込め(または指で弾き)、乱射する。強烈な熱を持ち、発射する度にマナの強烈な火花が飛び散り射手の体を傷つけるため、とても他人には手渡せない。
閃光弾のスクロール(?)

闇市で手に入れた軽金属で出来た筒。ちょうど握れるサイズ。筒の内部に魔力が込められてる。頂上の紐を解くと3秒後に強烈な閃光と共に魔力禍を発生させる。魔力を込めると再使用可能。アトの魔力以外に反応しない。
・基本
ローグライク系観光客
パンドラ使用

【基本方針】
隊列を維持し前後警戒
活動効率の低下を考慮して規定時間の活動と休憩を挟む
時間は是迄の依頼で得た知見を参考に決定
休憩時間が近づいた場合安全な場所の確保
休憩中は全員のHP回復と回復役のAP回復を待つ
寒い場合は火を熾し、白湯を皆で飲む
マップを参考に次の行動方針の決定
メルカートとの戦闘は絶対に避ける

・行動
さて、冒険と行こうか
出発前凍傷対策に衣服を工夫し、肌にはワセリンを
食料も体を温める携行食を中心に揃えておく
隊列では最前列
3m棒で周囲をつつきながら進むよ
森の中では地面と木々を
迷宮内部では地面、横壁、天井をそれぞれ叩いて反響音を確かめ、空いた手を壁に沿わせる
探索の鉄則ってね
カンテラは腰に吊るす
罠がある場合は、トチッてもリカバリーが効く僕が解除する
解除には工具を使う
鍵がかかったものを開ける場合も同上
宝箱等は余裕があれば中身を取る
休憩時は調べた限りのメルカートの話をしたりしておこうか

・戦闘
正面戦闘時最前衛
全力攻撃なし

奇襲する時は最初に閃光弾
戦闘開始時リジェネレート
以後付与を絶やさない

近接して観光客流剣術
行動回数増加時とAP150以下で血意変換
背後から攻撃された時は後方に意識を向けつつ再後衛で閃光弾か遠距離通常攻撃
戦闘終了後は血意変換でAPを最大値に戻す
昏い夢の中で

その日夢を見た
打倒した彼女の夢を

メルカート・メイズ
彼女は暗闇の中に佇んでいる
膝を抱えて小さくうずくまって
嗚咽を漏らしながら泣いている

僕はすぐにこれが夢だということに気がつくだろう
なぜこのような夢を見ているのかはわからない
命を吸われた時、彼女の宝玉と繋がった残滓なのか
僕が彼女の狂気の影響を受けて悪夢を見る羽目になっているのか
もしくは僕の心が、メルカートという子供の虚像を映し出しているのか

だが、どれでもよかった
僕はただメルカートの隣に座る
恨み言をただ聞こう
お前には僕に対して何もかもをぶちまける権利がある
憎悪も嫉妬も悔しさも孤独も何もかも
僕はただ静かに聞いていよう

ありったけの感情の爆発の後には静けさが残るだろう
だから僕もぽつりぽつりと話そう
メルカートにとどめを刺す瞬間に初めて気づいたことを

僕も孤独だと思っていたよ
それは確かな事実だ

生まれてこの方、運命の大迷宮で長きにわたる時間を過ごしてきた
人を信じている人間ではないと自分では思っていた
協力して君を打倒したのはなんでなのか、それは彼女は使えるからだと
彼女の魔力撃はとても強力だから僕は多分君の心臓に撃ち込む銀の銃弾気分で彼女を利用しただけだったのさ

ただ、予想外だったのは君の宝玉の力だ
パンドラ全てを吸い取るなんて……いやあ、君の方もズルくなかったか、あれは
あの時僕は自分の完全なるヘマに気づいた
君の攻撃をすべて受けきったならば、たとえ君は倒せても僕の死は免れえない
ああ、失敗したな……なんてうすぼんやり考えていた
だけど、目が覚めたら迷宮の外の病院に運ばれていた

自分でなにを言ったか覚えているかい?
「そうやって助けてくれる人もいるなんて」、って言ったんだ
僕は気づきもしなかったんだ
この数年の内に、そんな者を得ていたなんてさ
彼女はただの銀の銃弾じゃなくてさ
互いに信頼を寄せ合うことが出来た人間同士だったんだって、初めて気づいたんだよ

それが、多分さ、大きな違いだったんだ
選ばれた、選ばれていないよりも大きな違い
君はずるいと言ったけど、でも言うべきだったのさ
誰かに助けてって
そう言っていればあんなことにはならなかった
僕は言ったよ、助けてくれてありがとうって
運命の大迷宮の中では言ったことのない言葉

おや、朝日が昇りそうだ
うん、夢の中なら何度でも会えるさ
観光客はいつでも君を「助けよう」。
……物語の中の観光客は、ちょいとは優しいやつだったろ?

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