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噴水前の歌広場

【ヨハナ・ゲールマン・ハラタ】冬への扉

「波をね、消してるんだ」

 残暑厳しい季候ももうすぐ終わりを迎えようとしている。なまぬるいばかりであって文句を言っていた噴水も漸くひたひたとしていられる具合になった。りぃりぃと茂みから虫の歌が聞こえる誰そ彼時に感じ入るような様子でいながら足を浸し、俯いて水面を見つめながら彼女はそんなことを唐突に言った。
 ゆらめいた足がぱちと波紋を生み出して、映った青白い顔がゆらゆらと消えた。

「こんなちょろちょろの噴水でも、波は起きてるからさ。だから、蹴っ飛ばして消してみようって思ったんだよね。でも何度蹴っても消えない。新しい波が出来るばっかり」

 あーあ、がっかり。と言いながら楽しそうな顔で彼女はぱちゃ、ぱちゃ、と波風を立てる。何度も。何度も。何度も蹴って蹴って蹴っている。

 そんな彼女を目にした貴女は―――

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話を戻そう。
振り返るとそこには壊れた『C204蝙矩㍾蜉帶ュェ譖イ譎る俣霆「遘サ陬?スョ』があった。
金属の骨組みと歯車、そして様々な機械部品が散乱していて、手のつけようがないほどに。

 ・・・・なぜ?

そう問うた。
それは「なぜ壊れているか」ではなかった。
なぜ『C204蝙矩㍾蜉帶ュェ譖イ譎る俣霆「遘サ陬?スョ』を理解できて、今の状況を理解できない自分がいるのかに、疑問を覚えたのだ。
疑問の解を求めて痛みを訴える頭をほじくり返す。
自分の知識と記憶の一つ一つを精査し、振り返り、審美し・・・・

・・・・そうして私は愕然とした。
私には『C204蝙矩㍾蜉帶ュェ譖イ譎る俣霆「遘サ陬?スョ』や『驕雁虚繧、繝ウ繧キ繝?Φ繝亥庶譚溯ェ、蟾ョ』や『蜿苓i陌壼ョ滓焚繝エ繧ゥ繧、繝画?蝙狗黄』の情報を知識として備えているのに、それらを裏付ける記憶が存在しなかったのだ。
私がなんであるのか、ここがどこであるのか、なにをしていて、なにがあっていまにあるのか。
そういったここまでに至るために必要な情報の全てが、致命的でなく壊滅的に欠けていたのだ。
意味不明な解答だけを突きつけるような「知識」だけしか自分の中に残っていない。
しかも口に出そうとすれば、まるで『なにかに存在を否定されるように』形になろうとしない。
冷え切った思考は安定をもたらすどころか、自己そのもの存在の危うさを囁く。
思考を、思考を止めなくては。

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