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噴水前の歌広場

【ヨハナ・ゲールマン・ハラタ】冬への扉

「波をね、消してるんだ」

 残暑厳しい季候ももうすぐ終わりを迎えようとしている。なまぬるいばかりであって文句を言っていた噴水も漸くひたひたとしていられる具合になった。りぃりぃと茂みから虫の歌が聞こえる誰そ彼時に感じ入るような様子でいながら足を浸し、俯いて水面を見つめながら彼女はそんなことを唐突に言った。
 ゆらめいた足がぱちと波紋を生み出して、映った青白い顔がゆらゆらと消えた。

「こんなちょろちょろの噴水でも、波は起きてるからさ。だから、蹴っ飛ばして消してみようって思ったんだよね。でも何度蹴っても消えない。新しい波が出来るばっかり」

 あーあ、がっかり。と言いながら楽しそうな顔で彼女はぱちゃ、ぱちゃ、と波風を立てる。何度も。何度も。何度も蹴って蹴って蹴っている。

 そんな彼女を目にした貴女は―――

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そういわれてみればっ! そうでしたねっ!
ヨハナとしたことがお仕事で簡単な自己紹介を済ませたっきりでしたっ!
カタラァナさんともっと仲良くなるのでしたらば、もっとお互いのお話が必要ですものっ!

 (ずるずるびたん、と)(水を吸った衣服を引き摺り噴水から這出て)

それでは改めましてヨハナはヨハナ・ゲールマン・ハラタじゅうななさいっ!
あいにくながらヨハナはヨハナ自身の経歴を知らぬため多くを語れませんがっ!
語れませんがっ どこにでもよくいるちょっと軽快な未来人ですっ!
ご質問ございましたらばしばしどんどんどうぞっ!

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