PandoraPartyProject

ギルドスレッド

噴水前の歌広場

【ヨハナ・ゲールマン・ハラタ】冬への扉

「波をね、消してるんだ」

 残暑厳しい季候ももうすぐ終わりを迎えようとしている。なまぬるいばかりであって文句を言っていた噴水も漸くひたひたとしていられる具合になった。りぃりぃと茂みから虫の歌が聞こえる誰そ彼時に感じ入るような様子でいながら足を浸し、俯いて水面を見つめながら彼女はそんなことを唐突に言った。
 ゆらめいた足がぱちと波紋を生み出して、映った青白い顔がゆらゆらと消えた。

「こんなちょろちょろの噴水でも、波は起きてるからさ。だから、蹴っ飛ばして消してみようって思ったんだよね。でも何度蹴っても消えない。新しい波が出来るばっかり」

 あーあ、がっかり。と言いながら楽しそうな顔で彼女はぱちゃ、ぱちゃ、と波風を立てる。何度も。何度も。何度も蹴って蹴って蹴っている。

 そんな彼女を目にした貴女は―――

→詳細検索
キーワード
キャラクターID
........ぃやぁぁぁぁぁぁぁああああ
     (ドップラー効果に乗って徐々に高音へと移る叫び)
          やぁっほほぉおおおおおおおおおおおおおぃいっっ!!

        \ ざ っ ぱ ー ん /
(・・・・・・・・と、噴水に飛び込む阿呆のような人影)

(ぷくぷくぷくと沈み込むような間を置いて)
(ばざーんと起き上がった) ひょーっ! とても冷たいですねーっ!
さっすがシーズンオフの水は一味も二味も違いますっ!

や、や、やっ! カタラァナさんごきげんようっ! じゅてーむっ!
(随分とラフな作業着と、それとモップを握った娘は、やたらと元気そうだった)
やあこんにちは。
それともこんばんはかな。微妙なところだね。
新調したドレスが早速水浸しで何よりのことだよ。
(もろ被りしてずぶ濡れのまま、顔を拭おうともせずににここと笑っている。
位置エネルギーの分だけ身投げした水をいじましくも空しく噴水が補給していた)

あれ、変わったお洋服だね。お仕事中?
やややぁ...それは失礼しましたっ!
見知った人影に感極まった勢いで、素敵なお洋服を濡らす意図はありませんでしたっ!

なにを隠そうヨハナはですねっ街の清掃のお仕事をお手伝いしているんですよっ!
最近はネズミとか犬とか大変らしいですからねっ!
できる範囲でちょっとずつでも助けになればなと思いましてっ!

・・・・・それで終わったところで水場を見つけてひゃっほうと飛び込んだらこれですねっ。
まことにかたじけありませんっ。
謝ることないのに。
濡れてもいいお洋服でなきゃドレスにならないんだから。
(その眼には本気の疑問符。
濡れたら着られない服なんて服じゃないとでもいわんばかりの過激派思想が飛び出して来かねない)

……ああ、そうだね。
何だか、大変らしいね。
ちいさくて、うごうごしたのが、何だかとっても。
さっきも居たよ、ねずみ。目の前を走ってった。
そうですかー? なるほどー?
もしや服装に対する観念にややほどズレがあったりなかったりー?
それはそうといつものお洋服も大変綺麗ですが、今のお洋服もお似合いですよっ!
そーゆーの着こなせるのは羨ましいですねっ!
(ばちゃばちゃきょろきょろと見回して)(ネズミの様子を伺いながら)
……頑張るね。
ネズミ、そんなに大事?
僕にはよくわからないけど、きっと大事なんだよね。
小さくてうごうごしたやつは、决まって誰かが目の色を変えるんだもの。
(きょろきょろする先に何の興味も示さず/楽器をいじくって音色を変えて遊んでいる。
 だけれども、興味を示していないのは目の先であり、きょろきょろと振り回される視線のことはとても興味深そうに見ているのだ。
ちょろちょろと注がれる噴水と、鈴のような虫の羽音の挟間に、ぽろんと竪琴じみた音色がかき鳴らされた)
いえ、ちっとも。(きっぱり)
ちっともですよっ!(ドきっぱりと)(向き直る)
それにより生ずる被害の方が、よっっぽどビッグで深刻な問題ですのでっ!
鼠を追いかけまわしたり、水場をキレイキレイにするのは大変楽しいのですけどもっ!
楽しいんですけどもーっけどもなんといいましょうかっ!
追おうという気持ちに追われてしまうのは本末転倒の逆さま立ちというかー・・・
んんんんんんままなりませんねぇヨハナの心も空模様っ!

(ぱっちゃーん、と冷たい噴水の水にまた倒れ込んでしまって)
(水面に、広い大きな輪っかのような王冠みたいな波紋を作る)
……ねえ。
追いかけ続けるのってどんな気持ちなの?

(ふと、そんなことを聞いた。
寄せて還る細波は王冠を形作っていたものだ。
それがもう、すでに形をなくしているのに相変わらず波ではあるのだ。
カタラァナにはそれがひどく恐ろしく思えて、思わず何かを聞かずにはいられなかった、そんな様子だった)
...やややー?
(冷たい水から状態だけ起こして)(覗き込む仕草で見上げる)
(なにか、随分不思議なものを視ている様な、そんな疑問を含んだ視線だ)

そうですねー そうですねー?
概念的なことに対する一般的視点や見識について問われてるわけではなさそうですねっ。
なのでヨハナの個人的感想を申し上げますと・・・・

まず、ネズミを追いかけてる時ですかっ。
具体的な成果となる目標が目前にあって、それに向かって奮闘するというのはなかなかに良いものかと思いましたねっ。
しかしながらしかしながら、それは目標を達成する悦びよりも、頑張っている自分自身に酔うような。あるいは数字を積み上げるだけの遊戯に浸るような。
そういった無為さを含んだ悦びに近い気がしないでもありません。
『都市機能全体としての衛生の維持のため』など、「なんのために」という問いかけを満たさなければ、ネズミを追いかけるのはなかなかに難しいのかもしれませんね。
そうでなければ・・・あるいは突然に無意味に取りつかれて、途中で投げ出してしまう人がいるやもしれません。
ネズミを追いかけるのは、そういった心構えを問われるものではないかと思いました。
概念的な「追い続ける」に関しても同様の感想を用意しますかねっ。

「"追いかけること"には無為な楽しさが含まれる」
「しかしながら"追い続けること"にはそれ以上の何かが要求される」
「それがなければ"追いかけること"には途方もない疲れがついて回る」

ですが、意義と問いかけを満たす追跡には、相応の喜びと、闘争を満たすよう冒険を感じるものではないのか・・・・・というのが現状のヨハナの私見でしょうかっ?

(そう、長い台詞をいっぺんに吐ききって見せた)

キャラクターを選択してください。


PAGETOPPAGEBOTTOM