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PPP一周年記念SS


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「蜂蜜酒よ、これ」
「みーどぉ? ……えひ、えひひ。なぁんだ。ただのお酒なんですね。え、でも今のとそれと何の関係が?」
「さあ。必要だと思ったから、歌ってもらったの。飲んでみても問題ないんじゃない? と言っても、この国の法律だと誰も飲める年齢じゃないけどね」
「はぁ……え。今の怪現象についてのツッコミはナシなんですか?」
「まぁ、まぁ。今すぐに危ないということはないわよ。安心して」
「そういうなら信じますけど……どうします? ラァナさん。お望みのようでしたし、開けましょうか?」
「え?」
 ぼうっとしていた僕は、その申し出に面食らってしろくろしてしまいました。確かに、モノに問題はないのでしょう。それ自体は。
 でもそれを開けるという行為が、なにか取り返しのつかないことのような気がします。イーちゃんの顔を見ると、何だかわくわくしているように見えました。僕も、これを開けるということは何だかとても楽しいことのように思います。
 たとえば、これを開けたら、とても綺麗だろうと、そんな風に。
「……ラァナさん?」
「……うーん。やめとこっかな」
 そんな想像を、ふっと掻き消しました。
 そうですか、とエっちゃんはナイフをくるんと仕舞います。基本的に危ない橋を渡りたくない彼女は、あまり未練もないようです。
「ごめんね、エっちゃん。わざわざつき合わせて」
「えひひ……ほんとですよ。怖かったんですから」
「おわびにご飯、御馳走させてよ」
「いいんですか?! わーい!!」
 ぷりぷりしていた彼女は、僕の言葉に一転顔を輝かせると、扉の外に駆けて行きます。ちょうどお昼時。もっと大きく育ってもらいましょう。収穫が楽しみです。
イーちゃんも行こうよ。篭りっきりだと、頭も働かないよ?」
「そうね、そうしようかしら」
 そう言うと、イーちゃんはがばっちょと立上り、んっと背伸びをしました。彼女も負けず劣らず、実はけっこうなものをお持ちです。固まりきった身体をばきばきと解すと
「……よかったの?」
 そう、尋ねてきました。僕は躊躇いなく、うんと答えました。

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