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at no.9

露店の並ぶ裏通り(誰でも歓迎)

華やかな大通りに挟まれた横丁には猥雑に露店が並び、立ち食いの客や掘り出し物を探す客でごった返して闇市さながらの賑わいを見せているようだ。まるで河川が沿海にまじわって汽水域を成すように堅気とヤクザな人種が混在している。

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そう、怪談話とそっくりな村だったんだ。

とある裕福な村で贅沢に暮らす人たちが、
物乞いにやってきた老婆を馬鹿にして追い払ったら、
老婆は魔女の本性をあらわして村人たちに呪いをかける昔話。
それでみんな死んでも火に炙られながら飢え続けるの。

どこにでも転がってそうなお話だけれど、
実際に退治に向った廃村はどの家も立派だったし、
燃える骸骨は子供から大人まで色んなのがいたから、
本当にお話に入りこんだ気分だったなあ。

ふふ、どうせなら面白おかしい話を頼みたいけれど、
チョコは毒入りだし、なかなかうまい話は無いもんだね。
夜鷹は甘いものは好き? 俺は大好き。

仕事はまあ積極的に受けてる方だと思うから、
2人ともそのうち一緒すると思うな。
そのときはよろしくね、頼りにしてるぜ。

(髪と目の色のことを言われると嬉しそうに、そしてどことなく誇らしそうにうんうんと頷いて)

俺もあだ名で呼び合うような仲ってあまり無かったね。
歳はええと、15……あれ、14だったっけな……。

はっ最年長のルチアーノさんじゃないかぁ!!
チビッ子の俺にごちになるルチアーノさん、ちーっす!!

(1つ2つは背伸びをして言ってみたいのだけれど、抑々自分の年齢の記憶に自信がなく歯切れが悪くなり)
(――とりあえず、笑って誤魔化すことにした)

えっ? 勿論さ、少しも嫌じゃないよ。
新しく知り合いが出来て、こうして名前を呼んでもらえたりすると、
その……素直に嬉しい。

(あらためて今の気分を語ってみればそれはなんだか気恥ずかしくて目が泳いでしまい)
(歩き出した夜鷹を一瞬見失うと、人混みの先でこちらに振りかえっている)

いいね、鹿肉! 俺もうすっかり口の中がお肉待ちになってきたぜ。

(案内についていき隣の通りへと歩いていく)

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