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at no.9

シラスのイビキがうるさい話

シラスが召喚を受けたばかりの頃のお話です。

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ベタつく汗をぬぐうと窓から差し込む光が眩しくて目をつむる。

遠くに小鳥が鳴くのが聞こえると澱んでいた空気が動き始めたのを感じて、
俺は寝転んでいたソファの上で姿勢を直して溜息をついた。

ここはとある雑貨屋の二階。
良くも悪くも商品の仕入先を選ばない店主には昔から世話になっている。

イレギュラーズとやらになった俺は宿を決めるまでの暫くの間と思い、
ローレットにほど近いこの店で厄介になることにしたのだった。

「ちくしょう……ちくしょう……うう、ダッセェ」

頭を抱えたくなる衝動を必死に抑えて唸る。

前に母さんと兄貴が夢に現れたのはいつ頃だったろうか、思い出せない。
それが召喚されてからは頻繁に同じ夢を見るようになってしまった。
多分どうでもいいことを考える余裕ができたせいなのだろう。
そうやって自答すると乾いた喉を潤すためにトボトボと階下に降りた。

「おい、シラス。今日も酷えイビキだったぜ……ったく、一晩中よォ」

店主の男が笑いかけてくる。
もう勘弁してくれと、言葉にはせず、表情ではっきりと伝えながら。

「ごめんよ、これっきりにするからさ」

どうやら夜通しうなされていたらしい。
うわの空で返事をしながら今日のうちに荷物をまとめようと心に決めた。
申し訳なく思うよりも、こんなザマを晒している自分が嫌で仕方なかった。

これまでだって街の隙間で息を接ぐように生きてきたんだ。
今は金にも困らない、何とでもなるさ。

ぬるいお茶を飲みながら俺はあれこれと考えをめぐらせはじめた。


(終り)

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