街はずれに建つ半焼した石造りの2階建て。
辛うじて教会であったシルエットを維持している。
焼け跡を見れば明らかに不自然な火元。
この幻想ではありふれた話、誰も気にとめやしない。

扉を開けば煤に汚れた神像が来訪者を見下ろす。
どうやらこの国の主流とは異なる神が祀られていたようだ。

どこに居ても煙の匂いが鼻を突くが綺麗に焼け残った部屋もある。

いずれ全て取り壊される。
それまではシラスのお気に入り。

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はーい、中が柔いから切って渡すよ？（フォンダンショコラのような焼き菓子を半分に切ってシオンに差し出しながら、残った半分を自分の口に放りこみ）んー、美味い……俺って安いチョコじゃないとチョコ食べた気しないんだけど、こういうのはそれとは別に満足感あるね！　シオンってその恰好でも味覚は普通にあるんでしょ？　なんか見た目は不思議な感じする。ブルーブラッドの神秘だ。