なんでもない港町。

日銭を稼ぐためにせっせと荷物を運ぶヤズィード。

ぼうぼうと音を立てて港を去る船を眺め、仕事を終えたヤズィードが、木箱の上に座っています。

通りかかる人や仕事仲間に、この間いった登山の話をしまくるヤズィードの、与太話をきくもきかないも君次第。

あら、バンジージャンプ方式で日帰り帰還する可能性もありましてよ？
切り立った崖には、生者の国へと繋がるロープ。
生と死の境を越えんとする者は虚空へと身を躍らせ、仮想的に死ななければならない……なんて。

あっラズィード、今なにか隠しましたわね！
隠し事すると良い事ありませんわよっ！
具体的に言うと、ここに居る人質の頭がスイカ割りのスイカみたいに弾ける事になりかねなくってよ！(近くにいる面子に向かって、シュッシュッとシャドーボクシングする)