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キャリー喫茶店

【個別RP】銃の担い手

▼イレギュラーとは戦いに身を置く者。
 戦いに身を置くとなれば当然訓練は付き物で。訓練となると指導員が必要になる。
 そこで銃手のプロフェッショナルを探すとなれば、常連客の一人でエイヴ・ベル・エレミアという兵に辿り着くのもまた、当然の成り行きだろう。
 街から離れた山林。そこで二人は訓練を始めるのだった。

※パーセル・ポストマンとエイヴ・ベル・エレミアの個別スレ

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(街から離れたとある山林。昼間ともなれば麗らかでまるでピクニックに適した場所だが、そこに足を運び入れた二人の様子は剣呑と言えないまでも、とても呑気な様子には見えない)
――さて、とりあえず装備のチェックと準備運動は済んだぜ、旦那。いつでもやれる。
(いつものタンカラーのACU、戦闘服に身を包んだ兵士は言葉に頷く)
それは重畳。では始めるとしよう。(拳銃のスライドを引く、たったそれだけの単純な動作だが幾度も繰り返されたであろうその動きは洗練されていた)
こういった山林は見通しが悪く潜伏がしやすい故に不意の遭遇戦、或いはゲリラ的な襲撃が多くなる。故に大事なのはなんだと思う?マスター。(周囲を一通り見回した後視線をパーセルへと向けると問いを投げる)
(ん、と少し考えるように顎に手を当てる)
……索敵か? 戦闘を仕掛けるにしろ、不意に遭遇するにしろ、事前に敵がいるかどうかを知っているかどうかってのは重要だと思う。
(答えに頷く)然り、死角の多いこういった場所では特に重視される。銃の射程距離というアドバンテージを活かそうとするならばなおさら。
そして、死角が多い故に索敵する際の動きも変わってくる。今回はこの部分の訓練を行っていきたいと思う。(拳銃を構えながら手近な木に近付き、死角となっている部分に銃を向ける)
尤も、単独で索敵をするような事はあまりないし、無いほうが良いが。(銃を下げると背後を振り向く、そこには無数の木々が生い茂る)
合ってたか。てっきりアンタのことだからまず隠れて息を潜めるところから、なんて言われるのかと思ったぜ。
(正解だったようで、ほっと安心したように吐息する)
しかし……これだけ死角が多い中で索敵すんのか? 警戒してるだけで神経がすり減りそうだ。
(銃を手に、エレミアに付く)
状況によるが隠れて息を潜めるのは相手の出方次第で後手に回りがちだし、息を潜めての索敵はベストだが流石に無茶振りというもの。(パーセルがついたのを確認すると歩き出す)
マスターの言う通り精神的な消耗は激しい、味方がいれば多少は軽減するからそれもまた単独での索敵を推奨しない理由に入る。
(歩くうちに自然と死角を作り出している木が近づく)もう一つの理由は人は背後に対して無防備だということ。(通過する際木の死角へと銃を向ける、パーセルがいる方には背を向けて)
(隠れたって結局見つかってしまえば意味がない。隠れながらの索敵は分不相応。思ってたよりも難しいもんだな、と顔をしかめる)
索敵は基本的に複数で、か。なら、基本は背中合わせみたいな感じで2方向を警戒する感じになるのかい?
(こんな風に、と死角をクリアリングするエレミアへと背を向け、反対方向へと自身も短銃を向ける)
(死角を含めた周辺を確認すると声をだす)クリア。
(マスターの動きに目を向け確認すると再び歩き始める)人数にもよる、が2人ならばそれで良いと思う。大事なのはカバーし合うこと。
……さてマスター、出番だ。(歩きながら前方の木を指差す)
はいよ。
(軽い応答に反して油断のない足取りで。指された方へとエレミアの横からすり抜けるようにして前に出る)
……クリア。
(死角を確認した後、視界を左右に振って広めに取る。運び屋稼業で会得した索敵だった)
しかし人工物なら大体どこに潜んでいるかなんてのはわかりやすそうなもんだが……自然物ってなると見慣れねえこともあって、どこにいるのかなんてわかったもんじゃねえな。
(ふ、と息をついて銃を下ろす)
(クリアリングの動きに合わせパーセルの死角をカバーするように動き構えを取る。ただし視線はパーセルの動きを追っていた。クリアという声に合わせて構えを解くとパーセルに向き直る)
OK、良い動き。(サムズアップを向ける)
然り、自然物は常に変化し、場所、時間が違えば光景が変わるのが常。故に些細な動きも見逃さない集中力が必要。当然精神的な負荷は大きくなる。
「恐らくあの辺りに潜んでいるだろう」。そういった先入観は時に判断ミスを引き起こすことがあることを考えると、悪い事ばかりではないのかもしれないが。
それにしても、堂に入っていたように見えたがクリアリング、索敵に経験が?
慣れりゃ多少は楽になるのかもしれねえけど、素人にこりゃ難しいわ。
(頭を振る。長時間これを繰り返すとなると、一体どれほど神経をすり減らすことになるだろうか)
そりゃアレだ。運びの仕事も絶対安全ってわけじゃねえからな。野盗だとか掏摸(スリ)の連中にやられねえようにってところさ。
(少し誤魔化すような、ズレた答えを返した)
(答えを聞いて頷くと、いつもと変わらぬ眠たげな表情をパーセルへと向ける)
なるほど、仕事で身についたものか。この世界の運び屋は大変なようだ。
私も実はドーナツ屋の仕事で身についたもの。(冗談めかして言う)
(最早パーセルに兵士だということは隠すつもりはないようだ、隠せていたかは疑問だが)
さて、何か質問は?今回の訓練での事以外でも構わないが。
(深く追求されずに済んで、内心安堵する)
そっちの世界のドーナツ屋も大変そうだな。
(言われた言葉を返して肩をすくめる。気付いているが黙っておくからそっちもそういうことにしておいてくれ、ということなのだろうと解釈した)
じゃあ……そうだな。休憩ついでにアンタの体験談でも聞かせちゃくれねえか? 訓練時代か、それか今みたいな森のなかでの話とか。
訓練時代か森…ね。(少し考え込むように俯き、顔をあげると、ぽつりと語り始める)
ここのような森であった話、私達の小隊は現地の同盟軍と協力し森の中に存在する敵対勢力の拠点を占領するよう命令を受けた。
(しゃがみ込むと足元の土を掴み感触を確かめるように指を動かす、しっとりとしているが足場はしっかりしていた)
こことは違いあの地域は雨期で泥濘んでいて車両が立ち入りにくく歩兵のみでの作戦を行う運びだった。
同盟軍は練度は低かったが士気は高く、同時に楽観視していたと思う。
「百戦錬磨の精鋭部隊の協力もある、負けるはずがない」とね。
私達は忠告したが連中は大げさだと笑って取り合わなかった。(掴んでいた土を無造作に放る)
……嫌になるぐらいこっちの世界でもよくある話だな。
(「援軍が来たからもう大丈夫」「強力な傭兵がいるから負けるはずがない」そういった油断によって大敗を喫した貴族や国家の話は、本当によく聞くものだった)
それだ、結局説得できず終いか。……きっと信じたくなくて、信じたかったんだろうな。
(自分たちが負けるという未来を。そして、自分たちがきっと明日を迎えられるという希望を)
(口振りから、先の展開は予想できた。けれどそれを遮ることはなく。パーセルは話の続きを促すようにエレミアへと手のひらを見せる)
(手のひらを見やると頷き再び語り始める)敵拠点までの道中は私達が先導し安全を確保しながら進む事となった。
それが最も損耗が少なくかつ確実に敵拠点へとたどり着く方法であると考えられた。だが今思えば同盟軍の油断を増長させていたように思う。
道中の進軍は順調に進んだ。順調すぎた。敵拠点に近づいているというのに哨戒兵の姿も殆ど見えない。
「悪い予感がする」と誰かが呟いた。小隊に今の状況を素直に喜ぶ者はおらず緊張感が漂い始めていた。
その後も不自然な程順調に進軍は進み、流石にこれはおかしいと一時退却の進言を考えはじめた頃、私達は襲撃を受けた。
対応が早かった故に小隊の被害は軽微だったが攻撃は激しくその場に釘付けにされた。
とはいえ同盟軍の力を借りれば対応可能な範囲だと判断されたため応援を要請するべく連絡を取った。
だが同盟軍の返答は私達の期待していたものとは違った。
『敵の奇襲を受け指揮系統が混乱しており援軍を送る余裕がない、そちらで対応されたし』
先行している私達と後方から追従する同盟軍に対する同時襲撃。作戦がどこかから漏れていたのか予測されていたのかは不明だが計画されたものとしか思えなかった
逃げにくい場所に誘い込んで、分断して、、一気に叩く……か。
(まるで狩りだな、と呟く)
誰のせいともわからず、アンタたちはそれで一杯食わされたわけだ。
……それで、アンタはともかく他の奴らは生き残れたのかい?
(首を横に振る)結論からいえば、同盟軍は壊滅したし私の部隊、仲間たちも多数の死者と重傷者を出した。
同盟軍は当てにならず私達が状況を打破しなければならなかった故、まずは私達への攻撃を退ける必要があった。
が。時間をかければ最悪背後の同盟軍を襲った敵がこちらに雪崩込み全滅すらありえる。
犠牲を覚悟の上で敵を正面から相手取るしかなかった。
どうにか退ける事はできたが死者、重傷者の数を鑑みて作戦の続行はほぼ不可能と判断され、私達の部隊は重傷者と死者を回収し撤退することになった。
その旨を同盟軍へと伝えたところ
「こちらも敵の撤退を確認したが被害は甚大、合流願う」
という返答だった。
中隊規模だった同盟軍だったが、合流できた人数は最早私達より少なかった。
誘い込まれ、分断され、同盟軍は殲滅され、私達が動けるようになれば引き上げる。
……完全にしてやられた、私達の敗北だった。
…………。(しばしの沈黙の後にようやく、そうか、と呟くように応える)
単純に強くったって、人数がいたって、どうしようもなくしてやられちまうことってのはあるもんだな……。
(エレミアもその部隊の中には戦友と呼べる者がいて、それらを失っているであろうことは想像に難くない。だが、それでも仮定の話として――)
先に敵を見つけていられたなら、それは回避できたのかな。
先に敵を見つけられていたら、か。もっとやりようはあったかもしれない。
見つけられていれば勝てた、とは口が裂けても言えないし、下手をすれば結果もあまり変わらなかっただろう。
後から思えば負ける要因など沢山あったのだから。
車両の立ち入れない場所、連携が取れず油断をした味方、そして敵は優秀で狡猾。
(俯くと帽子のつばをつかみ深く被る)……或いは私達も敵を見誤ったことも、味方の油断を諭すことができなかったことも、自分たちがいればどうにかできるという驕りも、か。(自嘲するように言う、俯き帽子のつばで顔が隠れておりその表情を窺い知ることはできない)
…………………………。
(口を開いて、閉じた。今の自分にはどう言葉を掛ければ良いのかわからなかったから)
(だから、その代わりに持ち込んでいたリュックの中身を漁って、魔法瓶を取り出した。遠出するなら水分は必要だろうと持ってきたコーヒーだ)
飲みな。
(そう言って、魔法瓶をエレミアへ突き出す。魔法瓶の中で揺れるコーヒーはあまりにも苦く、時間が経ったとは思えない程に熱く、けれど、それをアンタであれば飲み下せるだろうと、そう主張するように魔法瓶をエレミアの目の前に差し出した)
(顔を上げると魔法瓶を受け取る)……いただこう。(魔法瓶の中身、コーヒーを容器へと注ぐと良い香りが漂う)
(コーヒーを一口飲む、口の中にじわりと苦味が広がる)……苦いな、だが心地の良い苦味だ。(また一口飲むとほっと一息をつく)
……まったく、マスターは本当にいい仕事をする。(コーヒーを見つめそうぽつりと呟くと顔を上げパーセルに向き直る)
気を使わせてしまったようですまない。(礼と言っては何だが、とバックパックを漁ると箱を取り出し魔法瓶とともに差し出す)
食べるといい、ドーナツ屋の手製だ。(箱を開けてみせる、中にはオールドファッションが3つほど入っていた)
どうも。んじゃあ一つ貰うわ。
(箱から一つ、ドーナツを食べて食す。オールドファッションはシンプルな味わいで――)
――甘くはねえが、うまいな。アンタもいい仕事してるぜ。
(口元に笑みを浮かべる)口にあったようで何より。
(表情を普段の眠たげな表情に戻すとコーヒーに視線を落とす)
苦い経験だが同時に教訓として心に刻まれている。
戦争、戦いというのはいつだって死と隣合わせ、命がけだ。
勝つため、生き残るために最善を尽くす。
それでも負ける時は負けるし死ぬ時は死ぬ。
でも最善を尽くせば悔いは残らないはずだから。(コーヒーをまた一口、噛みしめるように味わう)
命懸けっつーのは、まだいまいち経験が無いが。……けど、そうだな。アンタの教えてくれたことなら、いつか役に立ちそうだ。
(言って、魔法瓶を仕舞う)
……そろそろ良い時間だ。一度喫茶店に戻るか。今日の礼だ、一品ぐらいならサービスさせて貰うぜ。
命がけのことなんて無いに越したことはないが、いつかそういう時がきたら役に立ててくれれば幸甚だ。
(良い時間、という言葉にふと軽く腕をまくると腕時計を確認する)少し喋りすぎたか、OK、そろそろ戻ろう。
お言葉に甘えて相伴にあずかるとしよう。
よし、そうこなくっちゃな。今の時間は閉めてるから、実質貸し切りみたいなもんだ。今日は珍しく早めに出せるぜ。
(荷物をしまいこんで背負い、エレミアを連れ立って街へと戻る)
(森はただ、葉音を鳴らして二人を見送るだけだった)

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