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樹上の村

街角保管室

街角の更新ログ

何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。

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2019/8/17(3/3)

 砂の都、なる言葉は特別な意味を持っていた。
 それは深緑における『ザントマン』の御伽噺の如くラサ側で伝わる伝承の事である。今よりも何代も何世代も前。現在における首都ネフェルストの様に栄えた街があった。その街は奴隷売買で多くの富が溢れ、金銀財宝の山が築かれたという。
 しかし他者を売り栄華を築くその有り様に怒り狂った魔女の手によって、一夜で砂に沈められた……と言う、古代都市伝説だ。ただ伝説とは言っても、実在した都が元の話になっているらしく、今でも古代都市の位置はトレジャーハンターによって探されていたりもしている。
 ともあれ当時は深緑が今より遥かに閉鎖的だった時代。希少価値は今よりも高く。
 深緑の者が運ばれてきて超高額で取引された事もあるとか――
「砂の都、か」
 と、その時だ。ザントマンが言葉を呟いて。
「案外遠い夢の話ではないかもしれんぞ」
「……ん? いまなんと?」
「気にするな。お前はただ幻想種共を売り捌けば良い」
 人身売買は忌まれる文化だ。だが質によっては莫大な利益を生む一大市場でもある。
 『需要』はあるのだ。人の業も在り続ける。さぁ――

「売れ。売れよもっと派手に売れ。尊厳など知った事か、辱めろ。骨の髄まで売り飛ばせ。
 奴らの価値を目に見える『数字』にしてやれ――金貨の方が重いと良いな?」

 高笑う。彼の目には『人』など映っていない。
 映っているのは『商品』だけ。
 金貨に変わる、肉袋。

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