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樹上の村
2019/8/11(3/3)
ディルクは眼を伏せる。思い返すは、ラサと深緑の結びつきの物語。始原の盟約。
『自身の血脈(ルーツ)も大いに関わるその始まりに、彼は少なからぬ思い入れを持っていた』。 「俺の爺さんの爺さんの、何代前だっけ――折角、結んだ糸を、俺で切る訳にはいかないよなぁ」
「……『彼』との盟約ですか。懐かしいですね――私にとっては昨日の事のようです」
その昔。今よりも遥かに閉鎖されていた深緑の窓を開いたのは一人の男だった。
砂の世界から訪れた『彼』は、目の前の美しき幻想種と関わり、まさに深緑に変化を与えたのである。
遥かな時をリュミエは生きてきた。ともすれば停滞していたともいえる己が心に。
変化を、教えてくれたのは――
「なぁ」
ふと。ディルクの声でリュミエの意識は目の前へと戻される。
赤い髪。鋭い目つき。ああ、全く見れば見る程『似ている』もので。
リュミエは何とも複雑に『若い頃』の思い出を反駁しない訳にはいかなかった。
「前から一つ聞きたかったんだけどよ」
「……なんでしょう?」
「クラウス・アイン・エッフェンベルグは――大層なイケメンだったりしたのかい?」
リュミエは唐突な質問に目を丸くする。一体何を聞いているのだ貴方はと。
なんと答えるか、無視するか。ああどちらであってもなにとなし、面倒に感じたので。
「――鏡でも見れば宜しいかと」
そっけない態度で突き放した。
※深緑にて『ザントマン』の噂が広がりつつあります。
幻想種の誘拐事件が多発している様です……
ディルクは眼を伏せる。思い返すは、ラサと深緑の結びつきの物語。始原の盟約。
『自身の血脈(ルーツ)も大いに関わるその始まりに、彼は少なからぬ思い入れを持っていた』。 「俺の爺さんの爺さんの、何代前だっけ――折角、結んだ糸を、俺で切る訳にはいかないよなぁ」
「……『彼』との盟約ですか。懐かしいですね――私にとっては昨日の事のようです」
その昔。今よりも遥かに閉鎖されていた深緑の窓を開いたのは一人の男だった。
砂の世界から訪れた『彼』は、目の前の美しき幻想種と関わり、まさに深緑に変化を与えたのである。
遥かな時をリュミエは生きてきた。ともすれば停滞していたともいえる己が心に。
変化を、教えてくれたのは――
「なぁ」
ふと。ディルクの声でリュミエの意識は目の前へと戻される。
赤い髪。鋭い目つき。ああ、全く見れば見る程『似ている』もので。
リュミエは何とも複雑に『若い頃』の思い出を反駁しない訳にはいかなかった。
「前から一つ聞きたかったんだけどよ」
「……なんでしょう?」
「クラウス・アイン・エッフェンベルグは――大層なイケメンだったりしたのかい?」
リュミエは唐突な質問に目を丸くする。一体何を聞いているのだ貴方はと。
なんと答えるか、無視するか。ああどちらであってもなにとなし、面倒に感じたので。
「――鏡でも見れば宜しいかと」
そっけない態度で突き放した。
※深緑にて『ザントマン』の噂が広がりつつあります。
幻想種の誘拐事件が多発している様です……
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。