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樹上の村

街角保管室

街角の更新ログ

何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。

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2019/7/26(4/4)

「俺は世界一の冒険者になる。それで、ローレットは世界一のギルドになるよ。
 混沌中の特異運命座標を集めて、オマエの言う『パンドラ』をかき集めてやる。
 それで、終焉だか終局だかが出てきたらそいつを一撃でぶっ飛ばして。
 オマエが泣こうと喚こうと空中神殿から引っぺがしてやる。
『俺はバグでも勇者様がやり切ったならそれで神託は終わり』だろ?」
「――――」
 初心者に毛が生えた位の少年が臆面も無く荒唐無稽に『世界一』を口にする。
 その傲慢な台詞以上に――目を丸くしたざんげは全く『そんな事は考えた事も無かった』。
 彼女の務めは特異運命座標を帯びた何某かに事情を説明し、先導する事のみ。
 神託はパンドラの蒐集とCase-D(しゅうきょく)の回避を望んでいたが、特異運命座標の性質上――彼等は何をしてもパンドラを集める事が出来るのだから――彼女がその先に口を出した事は無かった。
「馬鹿げてるだろ。そんなペースじゃ俺が死んでも終わらねぇ」
 神様の手違い(レオン)はシステムの根幹に風穴を開けると言い切っている。
「分かったな、ざんげ。うんでもはいでもYESでもいい。
 俺は俺が生きてる間に、全部ぶっ飛ばす。
 ぶっ飛ばしてオマエを無理矢理こっから引きずり下ろす。だからもう諦めろ。
 今日来たのは宣戦布告だ。兎に角、一秒でも早くオマエに言ってやりたくてよ」
 レオンは持ち前の超強気を微塵も隠さないでにっと笑う。

 ――だって俺は。俺はオマエが大嫌いだからな――

 言うだけ言って「寝る」と目を閉じたレオンの頬が少し赤い。
「本当に」
 そんな『どうしようもないひと』を膝の上で遊ばせたまま。
「本当に仕方ねぇ人でごぜーますね」
 肯定するでも無く、否定するでも無く――ざんげは幽かに微笑んだ。


 青い空、白い雲。大人びた少女の温もり、繰り返した悪態。
 遠い日の出来事は色付く他我であり、のめり込むエゴイズムそのものだ。
 その原風景は出会いの時であり、決意の時であり、少年時代との決別だ。
 馬鹿げていると笑わば、笑え。
 記憶の底で褪せないワン・シーンはセピアの海でもその光彩を忘れないから。

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